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MEDICALLY REVIEWED BEAUTY & HEALTH
肌

ケミカルピーリングとは
——学会が薦めるのはニキビ・小さいしみ・小じわの3つ。受けたあとは毎日の遮光を

ニキビやシミが気になって、ケミカルピーリングを考えている方に向けた記事です。
日本皮膚科学会によると、ケミカルピーリングは皮膚に化学薬品を塗り、皮膚を剥がすことで起こる変化を利用する治療で、業として行えば医業に該当します。
学会のガイドラインが治療の選択肢として薦めているのは、にきび・小さいしみ・小じわの3つです。

執筆:なぎ先生(内科医) 公開:2026年10月28日 読了:約8分

1. 先に結論

よくある思い込み資料の記述
シミなら何でも薄くなる薦められるのは小さいしみ(長年の日光や日焼けのあとのしみなど)。そばかす・肝斑は診断や治療が容易ではない
しわ全般に効果がある対象は小じわ。深いしわには効果はない
1回で変わる中等度のにきびで平均6回、重症で平均10回の治療後に急速に改善した経験がある。しみは数か月から年単位
終わったらいつもどおりでよい角質層が剥がれ紫外線が通りやすくなるので、毎日の日焼け止めと十分な保湿が必要

この記事でいちばんお伝えしたいこと。

学会は、しみは悪性度の高い皮膚がんとまぎらわしい場合もあり、安易な自己診断は厳禁で、まず皮膚科専門医に相談してくださいとしています。ピーリングは、皮膚科診療技術を十分に修得した医師の管理下で行われるべき治療です。

2. どんな治療か——業として行えば医業

日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aによると、ケミカルピーリングは1990年代に欧米から日本に導入され、多くの施設で行われるようになりました。その一方で、国民生活センターには腫れや炎症などの危害例の相談が多数寄せられるようになりました。

3.【核心】薦められるのは3つだけ

学会は、ガイドライン(改訂第3版)で根拠に基づいた適応を明示しているとし、治療の選択肢の一つとして薦められる病気・状態として、次の3つを挙げています。いずれもグリコール酸とサリチル酸(マクロゴール基剤)が使われています。

状態資料の記述
にきびただし、にきび痕に対しては十分な根拠がない
小さいしみ長年日光にあたっていたためにできるしみ、日焼けのあとのしみなど
小じわただし、深いしわには効果はない

そのうえで学会は、そばかすのような遺伝的な病気や、肝斑のように紫外線や女性ホルモンで悪化する病気は、診断や治療が容易ではないとしています。シミの種類の見分け方はシミと肝斑の記事、ニキビ治療の全体像はニキビの記事で書いています。

4. 薬剤と、剥がす深さ

学会によると、ガイドラインには一般的に使われる薬剤として、グリコール酸、サリチル酸(マクロゴール基剤、エタノール基剤)、トリクロロ酢酸(TCA)、その他として乳酸、ベーカーゴードン液、フェノールが挙げられています。病気や状態によって、濃度を変えたり、数種類を組み合わせたりして使います。

このうちグリコール酸は、日本人の肌に最もマイルドで比較的安全に使えるため、多くの施設で使われています。ただし、治療時の皮膚の状態でピーリングの深さは変わるので、担当者は常に注意しながら行っています。

レベル名称剥がす深さ
1最浅層ピーリング角層
2浅層ピーリング表皮の顆粒層から基底層の間
3中間(深)層ピーリング表皮と、真皮乳頭層の一部から全部
4深層ピーリング表皮と、真皮乳頭層および網状層に及ぶ深さ

出典:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「ケミカルピーリング」Q4 資料1(ケミカルピーリングの剥離深度による分類)

学会は、厚く剥がすことで前がん病変などを取り除くことができ、薄く剥がす(角層を除く)ことで皮膚の再生の仕組みが働き、新しい皮膚の再生が期待できるとしています。

5. 変化が出るまでの回数

学会によると、変化が出る時期は、病気とその重症度、薬剤とその濃度、年齢、治療時の皮膚の状態、季節によって様々で、いずれも個人差があります。

変化が出るまでの目安(グリコール酸など) 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「ケミカルピーリング」Q5をもとに整理 にきび はじめは約2週間に1回。中等度で平均6回、重症で平均10回の 治療後に、新しく出る割合が急速に減った経験がある くすみ グリコール酸で約4〜5回程度 しみ 浅いピーリングでは即効性はない。数か月から 年単位のことが多く、他の治療との併用が効果的 出典:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「ケミカルピーリング」Q5をもとに作図。いずれも個人差がある

にきびでは、続けていると新しいにきびが出るまでの期間が長くなり、徐々に治療の間隔を空けていくとされています。

6. 受ける前の注意

学会は、次のような点を挙げています。

7. 受けたあと——遮光と保湿

学会によると、ピーリング中はほとんどの場合ぴりぴりとした刺激感があり、ピーリング後は皮膚が赤くなったり、かさかさしたりしますが、たいていは2、3日で治まります。水ぶくれや浅い傷、小さいかさぶたができることもあり、その状態が続くようなら皮膚科専門医に相談するよう書かれています。

「紫外線は、しみや皮膚老化の原因となりますので、毎日必ずサンスクリーン剤(紫外線散乱剤を使用した低刺激性・低アレルギー性のSPF18、PA++程度のもの)による遮光に留意してください。」(日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「ケミカルピーリング」Q9)

日焼け止めの量と塗り直しは日焼け止めの記事で書いています。

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この章で扱った遮光のための日焼け止めです。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、ケミカルピーリングのあとは紫外線散乱剤を使った低刺激性・低アレルギー性の日焼け止めで、毎日必ず遮光するよう書いています。

※ 当サイトは、記事のなかで根拠を示したうえで推奨したものに限り広告を掲載しています。ここで紹介しているのは、紫外線吸収剤を使わず(紫外線散乱剤のみ)、美白有効成分を含まない化粧品の日焼け止めです(SPF32・PA+++、光アレルギーテスト・ノンコメドジェニックテスト済みとメーカーが表示)。学会が目安として挙げる「SPF18、PA++程度」より数値は高めです。ピーリングのあとに肌が赤い・ひりひりする間や、使っていた化粧品が合わなくなったときは使用を控え、何をいつから使うかは施術を受けた医師の指示に従ってください。

8. 併用する治療

状態資料の記述
にきび抗菌薬の内服との併用で、治療期間の短縮が図れる
しみ(老人性色素斑、肝斑、雀卵斑、炎症後色素沈着など)レチノイン酸、ハイドロキノン、レチノール、各種ビタミンC製品などの美白剤の併用で効果が期待できる。ただし、ピーリング直後の皮膚に使うと、赤く腫れる、かぶれ、ただれるなどの思わぬ副作用が生じることがある。担当医師の指示に従う

9. 料金と、エステティックサロンのピーリング

学会のQ&Aは、料金について、保険診療外の治療(2008年9月現在)で、各施設に直接相談するよう書いています。

エステティックサロンについては、次のように説明しています。

皮膚科で相談したいとき(資料にあるもの)

・しみが気になる(悪性度の高い皮膚がんとまぎらわしい場合もあり、自己診断は厳禁)

・ピーリングのあと、水ぶくれ・浅い傷・かさぶたが続く

・治療中の病気がある、妊娠中・授乳中、傷あとが残りやすい

・エステティックサロンでピーリングを受けようか迷っている

最後に、この記事の要点をもう一度。

① ケミカルピーリングは、業として行えば医業。皮膚科の技術を修得した医師の管理下で

② 薦められるのはにきび・小さいしみ・小じわ。にきび痕は根拠不十分、深いしわには効果なし

③ にきびは約2週間に1回から。しみは数か月から年単位

④ 前日の顔剃り・パック・スクラブは避ける。1か月以内のレーザーや脱毛は相談

⑤ 受けたあとは毎日の遮光と十分な保湿

10. よくある質問

ケミカルピーリングとは何ですか?

日本皮膚科学会によると、皮膚に化学薬品を塗り、皮膚を剥がすことで起こる変化を利用する治療です。2000年に厚生省(当時)が、業として行えば医業に該当すると明言しました。学会のガイドラインは、皮膚科診療技術を十分に修得した医師の管理下で行われるべきだとしています。

どんな肌の悩みに向いていますか?

学会によると、ガイドラインが治療の選択肢の一つとして薦めているのは、にきび、小さいしみ(長年の日光や日焼けのあとのしみなど)、小じわの3つです。ただし、にきび痕には十分な根拠がなく、深いしわには効果はありません。

肝斑やそばかすにも使えますか?

学会は、そばかすのような遺伝的な病気や、肝斑のように紫外線や女性ホルモンで悪化する病気は、診断や治療が容易ではないとしています。しみは皮膚がんとまぎらわしい場合もあるので、自己診断せず、まず皮膚科専門医に相談してください。

何回くらいで変化が出ますか?

学会によると個人差がありますが、にきびでは約2週間に1回の治療から始め、中等度で平均6回、重症で平均10回の治療後に急速に改善した経験があるとされています。くすみはグリコール酸で約4〜5回程度、しみは数か月から年単位のことが多いとされています。

ピーリングのあと、何に気をつければいいですか?

学会によると、角質層が剥がれて紫外線が通りやすくなっているので、紫外線散乱剤を使った低刺激性・低アレルギー性の日焼け止めで毎日必ず遮光します。保湿力も落ちるので、保湿剤や乳液で十分に補います。赤みやかさかさは、たいてい2、3日で治まります。

エステのピーリングと、皮膚科のピーリングは違いますか?

学会によると、エステティックサロンでは肌表面を整えるなどの目的で行われていますが、病気の治療を目的としたケミカルピーリングは法律で禁止され、TCAやフェノールの使用も禁止されています。法的に決着がついていない点もあるため、あらかじめ皮膚科専門医に相談することを薦めています。

参考にした主な資料

凪
なぎ先生

内科系の臨床に15年ほど携わる医師。生活習慣病・ホルモン・栄養の相談を日常的に受けています。中立性の担保と診療継続のため、ペンネームで執筆しています。→ 運営者について

この記事は健康情報の提供を目的としたものであり、診断・治療に代わるものではありません。本文で紹介した内容は、日本皮膚科学会の皮膚科Q&A「ケミカルピーリング」にもとづくもので、同Q&Aは2008年改訂のガイドライン(改訂第3版)をもとにしています(料金は2008年9月現在の記載)。治療を受けるかどうかは、皮膚科専門医に相談してください。掲載内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからお知らせください。