1. 先に結論
| 論点 | この記事で言えること |
|---|---|
| 私だけがつらいの? | いいえ。更年期女性の4〜6割が睡眠の悩みを抱えていると報告されています(厚労省 睡眠ガイド2023)。 |
| なぜ眠れなくなる? | 更年期は不眠症や睡眠時無呼吸のリスクが増大。ホットフラッシュが重いと眠りが分断されやすいとされます。 |
| 何時間眠ればいい? | 成人は6時間以上が目安。ただし45歳で約6.5時間と、眠れる時間は加齢で自然に短くなります。 |
| 時間さえ足りればいい? | いいえ。「睡眠休養感」(眠って休めた感覚)が同じくらい重要だと位置づけられています。 |
| 寝だめ・寝酒は? | 🚨 どちらも逆効果になり得ます。眠りは「ためられず」、寝酒は睡眠の質を悪化させ得ると明記されています。 |
| 受診の目安は? | 不調が長く続く、日中の強い眠気、大きないびき——背後に睡眠障害が潜んでいることがあります。 |
この記事でいちばんお伝えしたいのは、「眠れないのは、あなたのせいではない」ということです。体の中で実際に変化が起きている。そして、できることもちゃんとあります。
2. まず知ってほしい——あなただけではありません
診察室で睡眠の相談を受けるとき、多くの方が申し訳なさそうに切り出します。「こんなことで来てすみません」「気にしすぎなんでしょうけど」——そう前置きしてから、実は何年も眠れていないと話される。
だからまず、この数字をお伝えしたいのです。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、こう書かれています。
同ガイドは、労働世代の後半には更年期を迎えるため様々な不調が生じやすくなるとしたうえで、「更年期女性の4〜6割が睡眠の悩みを抱えており、仕事にも影響することが報告されています」と明記しています。
半数前後です。これは「一部の神経質な人の問題」ではなく、この年代の女性に広く起きていることだということです。国が作る公的なガイドが、わざわざ章を立てて扱うほどに。
さらに同ガイドは、睡眠で休養がとれている人の割合が20歳以上の成人で7割程度と低く、年々減少傾向にあるとも指摘しています。眠れないことに悩んでいるのは、あなた一人ではありません。
この事実を知るだけでも、少し肩の力が抜けるのではないでしょうか。「自分の心が弱いから眠れない」と考えていた方には、ぜひここを持ち帰っていただきたいと思います。心の問題ではなく、体で起きている変化です。
3. なぜ、この年代で眠れなくなるのか
では、体の中で何が起きているのか。理由は一つではなく、いくつかが重なっています。順に見ていきましょう。
理由1:更年期そのものが、眠りのリスクを高める
睡眠ガイド2023は、更年期について明確にこう述べています。更年期では不眠症や閉塞性睡眠時無呼吸などへの罹患リスクが増大することが知られている——と。そして、これには女性ホルモンの減少が関連すると考えられているものの、明確な仕組みは十分に解明されていないとも、正直に書かれています。
ここは、私が誠実だと感じる部分です。「ホルモンが減るから眠れなくなる」と単純に言い切らず、関連はあるが仕組みは解明途上だと明示している。医学ではよくあることで、「はっきり分かっていない」ことを分かっていないと書くのが、信頼できる情報の条件です。
理由2:ホットフラッシュが、眠りを分断する
もう一つ、はっきりしている経路があります。同ガイドは、更年期に多い症状であるホットフラッシュなどの血管運動神経症状が重いと、深い睡眠が妨げられやすく、睡眠が分断されやすい(睡眠中に目が覚めやすい)と考えられている、と説明しています。
夜中に汗をかいて目が覚める。着替えたりタオルを敷いたりして、また寝ようとする。でも一度覚めると、なかなか寝つけない——この経験がある方は多いはずです。これは気のせいでも、寝相の問題でもなく、体の反応が睡眠を中断させているのです。
ホットフラッシュを含む更年期の症状全体については40代からの体の変化 完全ガイドで整理しています。
理由3:そもそも、眠れる時間は年齢とともに短くなる
これは知っておくと、ずいぶん気が楽になる事実です。睡眠ガイド2023は、脳波を用いて厳密に調べた研究として、次の数字を紹介しています。
15歳前後では約8時間、25歳で約7時間、45歳では約6.5時間、65歳では約6時間。成人後は20年ごとに30分程度の割合で減っていく——これが、体の自然な変化です。
ここから分かる大切なことがあります。20代の頃と同じように眠れないのは、異常ではないということです。「昔は8時間ぐっすり眠れたのに」と比べて落ち込む必要はありません。40代の体には40代の適量があります。
理由4:眠れないことへの不安が、さらに眠りを妨げる
そして、これが実はとても大きい。一度「眠れない」経験をすると、次の夜も「また眠れなかったらどうしよう」と考えるようになります。ベッドに入ることが緊張の場面になり、その緊張がまた寝つきを妨げる。この悪循環に入ってしまうと、もともとの原因が去っても不眠だけが残ることがあります。
だからこそ、「眠らなければ」という力みを、少しずつ緩めることが対策の一部になります。この点は後の章でも触れます。
4. 「何時間眠れば十分か」の答え
いちばん知りたいのは、たぶんここでしょう。睡眠ガイド2023の成人向けの推奨事項は、こうです。
| 項目 | 睡眠ガイド2023の推奨(成人) |
|---|---|
| 睡眠時間 | 適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する |
| 睡眠の質 | 食生活や運動等の生活習慣や寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める |
| 不調のとき | 生活習慣等の改善が重要だが、病気が潜んでいる可能性にも留意する |
ポイントは「個人差があるが」という前置きです。全員が同じ時間を必要とするわけではありません。6時間は「これを下回らないように」という目安であって、「7時間眠らなければ失格」というような基準ではないのです。
「長く寝ればいい」わけでもない
意外に思われるかもしれませんが、同ガイドはこうも述べています。一晩に眠ることができる時間には限りがあり、体が必要とする以上に長く床の上で過ごすと、「寝つくまでに長く時間がかかる」「途中で目が覚める時間(回数)が増える」「熟眠感が減る」など、眠りの質が低下することが分かっている——と。
つまり「早くベッドに入って、少しでも長く眠ろう」という作戦は、裏目に出ることがあるのです。眠くないのに横になっている時間が長いほど、眠りは浅く、途切れがちになる。これは、不眠に悩む方が陥りやすい落とし穴の一つです。
実践のヒント。眠れないまま長く床にいるのがつらいときは、いったん寝床を出て、静かな場所で穏やかに過ごし、眠気が戻ってから戻る——という方法が知られています。「ベッド=眠れなくて苦しい場所」という結びつきを弱めるのが狙いです。ただし、明るい照明やスマートフォンは避けてください。
5. 睡眠時間より大事かもしれない「睡眠休養感」
睡眠ガイド2023でとくに注目したいのが、「睡眠休養感」という考え方です。これは、この記事でぜひ持ち帰っていただきたい概念です。
同ガイドの説明はこうです。睡眠時間が睡眠の「量」を反映する指標だとすれば、睡眠休養感(睡眠で休養がとれている感覚)は、睡眠の「質」を反映する指標といえる。そして良い睡眠は、量(睡眠時間)と質(睡眠休養感)の両方が確保されて担保される——と。
つまり、時間だけ足りていても、休めた感じがしないなら十分ではない。逆に言えば、時間を増やせないときでも、休養感を高める方向に手を打てるということです。これは忙しい方にとって、希望のある視点だと思います。
睡眠休養感を下げる要因
同ガイドは、睡眠休養感を低下させる要因として次を挙げています。
- 睡眠不足そのもの
- 仕事などによる日中のストレス
- 就寝直前の夕食や夜食、朝食抜きなどの食習慣の乱れ
- 運動不足、歩行速度の遅さなどの運動習慣の不良
- 糖尿病、高血圧、がん、うつ病などの慢性疾患を有すること
この一覧を見て、気づかれたことはないでしょうか。そのほとんどが、寝室の外にあるのです。眠りの質は、寝る直前の努力だけで決まるのではなく、一日の過ごし方全体から作られている。だから対策も、夜だけでなく朝と昼を含めて考えることになります(第7章)。
また、慢性疾患が挙がっている点も見逃せません。睡眠の不調が、体のどこかの不調を映していることがある。このサイトが繰り返しお伝えしている「見た目や体感の変化には、体の中に理由がある」という考え方と、ここでもつながります。
6. よかれと思ってやりがちな、3つの落とし穴
ここは、いちばん実用的な章かもしれません。眠るために良かれと思ってやっていることが、逆効果になっている——そういうケースが本当に多いのです。
落とし穴1:休日の「寝だめ」
平日に眠れないぶん、休日に長く寝て取り返す。多くの方がやっていると思います。ですが睡眠ガイド2023は、はっきりこう述べています。このような習慣で、実際には眠りを「ためる」ことはできません——と。
それどころか、休日に大きく起床時刻がずれることは「社会的時差ボケ」と呼ばれ、毎週末に時差のある地域へ旅行を繰り返すのに似た状態を作ります。同ガイドは、これが肥満や糖尿病などの生活習慣病、脳血管障害や心血管系疾患、うつ病の発症リスクとなることが報告されている、としています。
| 状況 | 報告されていること |
|---|---|
| 平日6時間以上+休日1時間程度の寝だめ | 寿命短縮リスクを低下させることが示されている |
| 平日6時間未満の人が寝だめ | 寝だめをしても寿命短縮リスクが有意に高まる |
| 平日6時間以上でも休日2時間以上の寝だめ習慣 | リスクの軽減が認められない |
ここから読み取れる実践的な結論は、「休日の寝坊は1時間程度までに留める」ということです。そして同ガイドが言うように、休日に長時間の睡眠が必要なのは、平日の睡眠時間が不足しているサインです。取り返す工夫より、平日を見直すほうが本筋になります。
落とし穴2:寝酒(ナイトキャップ)
「お酒を飲むとよく眠れる」——これも非常によくある誤解です。睡眠ガイド2023は推奨事項として明確に、晩酌での深酒や、眠るためにお酒を飲むこと(寝酒)は、睡眠の質を悪化させる可能性があると書いています。
仕組みも説明されています。アルコールは一時的には寝つきを促進するものの、体内で代謝される過程で睡眠を妨げます。だから「寝つきはいいのに夜中に目が覚める」という形になりやすい。さらにアルコールは閉塞性睡眠時無呼吸を悪化させることもあるとされています。
つらいときに手が伸びる気持ちは分かります。ただ、寝酒は眠れない苦しさを一時的にごまかす代わりに、眠りの質を差し出している——そういう取引だと理解しておいてください。そして、量が増えていきやすいのもこの習慣の難しいところです。
落とし穴3:「眠らなければ」と力むこと
3つ目は、道具でも習慣でもなく、心の持ち方です。
「今日こそ眠らないと明日がつらい」と強く思うほど、体は緊張して眠れなくなります。時計を見て「あと5時間しか眠れない」と計算し、さらに焦る。この状態でベッドにいることが、かえって不眠を強めてしまう。
ですから——眠れない夜があってもいいと、まず許可を出してあげてください。人は一晩眠れなくても、翌日をなんとか過ごせるようにできています。「眠れなくても死なない」くらいに構えるほうが、逆説的に眠りやすくなることが多いのです。時計を見ないようにするのも、ひとつの有効な工夫です。
7. 今日からできること——朝・昼・夜
第5章で見たとおり、睡眠休養感は一日の過ごし方全体から作られます。ですから対策も、朝から順に見ていきましょう。どれも特別な費用はかかりません。
朝:光と朝食で、体内時計を合わせる
- 起きる時刻を一定にする——就寝時刻より、まず起床時刻を揃えるほうが体内時計は整いやすくなります。眠れなかった翌朝も、できるだけいつも通りに起きるのがコツです
- 朝、太陽の光を浴びる——睡眠ガイド2023も、朝は太陽の光を浴びて朝食をしっかり摂ることを挙げています。カーテンを開ける、少し外に出る、それだけで構いません
- 朝食を摂る——体内時計を合わせる合図になります。朝食を抜く習慣は、睡眠休養感を下げる要因にも挙げられています
朝の光がなぜ効くかというと、体内時計をリセットし、その約14〜16時間後に眠気を促すホルモンが出る準備が始まるからです。つまり、夜の眠りは朝から作られているのです。夜だけ頑張っても難しいのは、このためです。
昼:体を動かし、夕方以降のカフェインに注意
- 日中に体を動かす——運動不足は睡眠休養感を下げる要因です。睡眠ガイド2023は、更年期の女性ではヨガなどの運動が主観的な睡眠の質を改善させることが報告されているとも紹介しています
- 昼寝は短く、早い時間に——長い昼寝や夕方以降の仮眠は、夜の眠りを妨げます
- カフェインの時間帯——効果が続く時間には個人差がありますが、午後遅く以降は控えめにすると影響を減らせます
運動については、体を動かすこと自体が更年期の他の悩み——筋肉と代謝——にも効いてきます。一石二鳥どころではありません。
夜:光を落とし、体温の下がり方を助ける
- 就寝1〜2時間前から照明を落とす——強い光は、眠気を促すホルモンの分泌を妨げます。スマートフォンの画面も同様です
- 入浴は就寝の1〜2時間前に——いったん上がった体温が下がるタイミングで眠気が訪れやすくなります
- 就寝直前の食事を避ける——就寝直前の夕食や夜食は、睡眠休養感を下げる要因に挙げられています
- 寝室を「眠るための場所」に——暗さ・静けさ・快適な温度。ホットフラッシュがある方は、吸湿性のよい寝具や、体温調節しやすい重ね着も助けになります
全部やろうとしないでください。ここに挙げたことを一度に始めると、それ自体がストレスになります。「朝カーテンを開ける」「休日の寝坊は1時間まで」——まずは一つか二つ、無理なく続けられるものから。眠りは、几帳面さで良くなるものではありません。
8. こんなときは、受診を
生活の工夫で整う部分は確かにあります。ただ、それだけでは足りない場合もはっきりあります。ここは遠慮なくお伝えします。
- 睡眠の不調(寝つけない・途中で目が覚める)や、休養感の低下が長く続いている——睡眠ガイド2023は、この場合背後に睡眠障害が潜んでいることがあるとしています
- 大きないびき、睡眠中に呼吸が止まると指摘された、日中の強い眠気・居眠り——閉塞性睡眠時無呼吸の可能性。同ガイドは、これらの疾患は50歳代以降に有病率が増加するため注意が必要としています
- 気分の落ち込みが続く、何事にも興味がわかない——うつ病などに伴って不眠が現れることがあります
- 脚がむずむずして眠れない——鉄の不足が関わることもあります(→鉄不足(フェリチン)の記事)
- 疲れ・むくみ・体重変化を伴う——甲状腺の不調でも眠りは乱れます(→甲状腺の記事)
とくに睡眠時無呼吸は、自覚症状に乏しいこともあると同ガイドは指摘しています。「いびきを指摘されたことがある」だけでも、相談する価値があります。
更年期の治療で、眠りが改善することもあります
これは、ぜひ知っておいていただきたい点です。睡眠ガイド2023は、更年期に生じる不眠症状は、その他の更年期症状の治療により改善・軽減する可能性があると述べています。そして、代表的な血管運動神経症状(ホットフラッシュなど)に対するホルモン補充療法は睡眠症状の軽減に役立つことがあるとしつつ、一部のがんや冠動脈疾患のリスクを高める懸念もあるため、医師と相談しましょうと、利点とリスクの両方を示しています。
つまり——「眠れない」を入り口に相談しても、更年期全体としての対処につながることがあるのです。治療の選択肢については更年期、我慢しなくていい|HRT・漢方という選択肢を知るで詳しく整理しています。
市販の睡眠改善薬・サプリメントについて。手軽に試せる製品がありますが、まず知っておいてほしいのは、それらは原因を確かめるものではないということです。睡眠時無呼吸や甲状腺の不調が背景にある場合、市販薬でごまかしていると発見が遅れます。また、市販の睡眠改善薬は一時的な不眠を対象としたもので、長期に漫然と使うものではありません。持病がある方、他の薬を飲んでいる方は、必ず薬剤師や医師に相談してください。「眠れない日が続く」は、市販品を重ねるより受診が近道です。
9. よくある質問
はい。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、更年期女性の4〜6割が睡眠の悩みを抱えており、仕事にも影響することが報告されているとされています。更年期には不眠症や睡眠時無呼吸への罹患リスクが増大することが知られており、ホットフラッシュなどの症状が重いと深い睡眠が妨げられ、睡眠が分断されやすいと考えられています。あなただけではありませんし、気の持ちようの問題でもありません。
睡眠ガイド2023は成人について、適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保するとしています。ただし同ガイドは、夜間に実際に眠れる時間は加齢により短くなり、45歳では約6.5時間、65歳では約6時間で、成人後は20年ごとに30分程度の割合で減っていくとも説明しています。昔と同じだけ眠れないこと自体は、自然な変化でもあります。
眠りを「ためる」ことはできないとされています。睡眠ガイド2023は、休日の寝だめは社会的時差ボケを生み、体内時計のずれによる健康への影響もあると説明しています。ある調査では、平日6時間以上寝ている人の1時間程度の寝だめには意味があるものの、休日に2時間以上の寝だめ習慣がある人では効果が乏しいことが報告されています。休日に長時間眠る必要があるのは、平日の睡眠が足りていないサインです。
おすすめできません。睡眠ガイド2023は、晩酌での深酒や眠るために飲むお酒(寝酒)は睡眠の質を悪化させる可能性があると明記しています。アルコールは一時的に寝つきを促しますが、代謝の過程で睡眠を妨げ、睡眠時無呼吸を悪化させることもあります。寝つけないつらさを一時的にごまかしても、眠りの質は下がるため、習慣にしないことが大切です。
睡眠の不調や、眠っても休養感が得られない状態が長く続く場合は、背後に睡眠障害が潜んでいることがあります。とくに閉塞性睡眠時無呼吸などは50歳代以降に有病率が増えるとされ、自覚症状に乏しいこともあります。日中の強い眠気、大きないびき、呼吸が止まると指摘された、気分の落ち込みが続くといった場合は受診をおすすめします。また、更年期の不眠は、他の更年期症状の治療により改善する可能性もあります。
この記事のまとめ。更年期女性の4〜6割が睡眠の悩みを抱えていると報告されています。眠れないのは、あなたの心が弱いからではありません。更年期は不眠症や睡眠時無呼吸のリスクが増える時期であり、ホットフラッシュは眠りを分断します。加えて、夜間に眠れる時間はもともと加齢で短くなり、45歳では約6.5時間とされています。だから「20代の頃のように眠れない」ことを責める必要はありません。目安は6時間以上、そして時間と同じくらい「睡眠休養感」が大切です。休日の寝だめは1時間程度まで、寝酒は避ける。朝の光と朝食から夜が作られます。そして——不調が長く続くなら、受診してください。いびきや日中の強い眠気は睡眠時無呼吸のサインかもしれませんし、更年期の治療で眠りが改善することもあります。眠れない夜を、一人で数え続けなくていいのです。
参考にした主な資料
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」——成人の推奨事項(6時間以上・睡眠休養感)、年齢別の睡眠時間(45歳で約6.5時間)、更年期女性の4〜6割が睡眠の悩み、寝だめと社会的時差ボケ、寝酒、更年期治療と睡眠
- 厚生労働省「睡眠対策」
- 日本産科婦人科学会「更年期障害」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「更年期障害」