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体型と代謝

肘部管症候群とは
——小指と薬指がしびれる、肘の神経の病気

小指と薬指(環指)の一部が、なんとなくしびれる。手首ではなく、肘に原因があることもあります。
日本整形外科学会によると、肘部管症候群は、肘で尺骨神経に圧迫や牽引などが加わって生じる神経の障害です。
麻痺が進むと、手の筋肉がやせたり、小指と薬指が変形したりしてきます。症状の出方、原因、診断、治療を、日本整形外科学会と日本手外科学会の資料で整理します。

執筆:なぎ先生(内科医) 公開:2026年11月3日 読了:約4分

1. 先に結論

知っておきたいこと資料の記述
しびれる場所初期は小指と環指(薬指)の一部
原因の場所肘の内側で、尺骨神経が慢性的に圧迫されたり牽引されたりする
進むと手の筋肉がやせてくる。小指と環指が変形する(かぎ爪指変形)
治療まず薬物の投与・肘の安静などの保存療法。効かない場合や麻痺が進んでいるときは手術

この記事でいちばんお伝えしたいこと。

肘部管症候群は、麻痺の進み方によって症状が変わる病気です。初めは小指と薬指の一部のしびれですが、進むと手の筋肉がやせたり、指が変形したりしてきます。日本整形外科学会は、保存療法が効かない場合や麻痺が進行しているときには手術を行うとしています。

2.【核心】麻痺の進み方で症状が変わる

段階資料の記述
初期小指と環指の一部にしびれた感じが出る
麻痺が進むと手の筋肉がやせてくる
小指と環指が変形する。日本手外科学会のパンフレットでは、かぎ爪指変形の図が示されている

出典:日本整形外科学会「肘部管症候群」、日本手外科学会 手外科シリーズ8「肘部管症候群」(2024年3月改訂)をもとに整理。

3. なぜ起こるのか

日本整形外科学会によると、肘の内側で神経(尺骨神経)が慢性的に圧迫されたり牽引されたりすることで発症します。原因として、次が挙げられています。

4. 診断

資料の記述
診察肘の内側を軽くたたくと、小指と環指の一部にしびれ感が走る
X線(レントゲン)検査肘の変形がある場合には、肘の外反変形や関節の隙間が狭いことがわかる。外傷や加齢に伴う肘の変形が見られることがある
そのほかの検査筋電図・神経伝導検査やMRIを行うことがある(日本手外科学会のパンフレット)

出典:日本整形外科学会「肘部管症候群」、日本手外科学会 手外科シリーズ8「肘部管症候群」をもとに整理。

しびれる場所による見分け方は手根管症候群の記事で、腕を挙げるとしびれる場合は胸郭出口症候群の記事で書いています。

5. 治療——まず保存療法、効かなければ手術

日本整形外科学会によると、まずは薬物の投与・肘の安静などの保存療法を行います。これらの治療が効かない場合や、麻痺が進行しているときには、手術を行います。

状態手術
靱帯(バンド)やガングリオンが神経を圧迫している尺骨神経を圧迫している靱帯の切離や、ガングリオンの切除
神経の緊張が強い骨をけずったり、神経を前方に移動させたりする(神経の前方移行)
肘の変形がある(外反変形など)変形を手術で直す場合もある

出典:日本整形外科学会「肘部管症候群」の「予防と治療」、日本手外科学会 手外科シリーズ8「肘部管症候群」をもとに整理。

最後に、この記事の要点をもう一度。

① 肘部管症候群は、肘で尺骨神経に圧迫や牽引が加わって起こる神経の障害

② 初期は小指と薬指の一部のしびれ。進むと手の筋肉がやせ、指が変形する

③ 原因は靱帯やガングリオンによる圧迫、肘の変形、野球や柔道などのスポーツ

④ 肘の内側を軽くたたくと、小指と薬指にしびれが走る

⑤ まず薬や肘の安静。効かない場合や麻痺が進んでいるときは手術

6. よくある質問

肘部管症候群とはどんな病気ですか?

日本整形外科学会によると、肘で尺骨神経に圧迫や牽引などが加わって生じる神経の障害です。肘の内側で尺骨神経が慢性的に圧迫されたり牽引されたりすることで発症します。

どこがしびれますか?

学会によると、初期は小指と環指(薬指)の一部にしびれた感じが出ます。麻痺が進むと、手の筋肉がやせてきたり、小指と環指が変形したりします。

原因は何ですか?

学会によると、神経を固定している靱帯やガングリオンなどの腫瘤による圧迫、加齢に伴う肘の変形、子どものときの骨折による肘の変形、野球や柔道などのスポーツなどがあります。

どんな治療をしますか?

学会によると、まず薬物の投与・肘の安静などの保存療法を行います。効かない場合や麻痺が進行しているときには、神経を圧迫している靱帯の切離やガングリオンの切除、神経を前方に移動する手術などを行います。

参考にした主な資料

凪
なぎ先生

内科系の臨床に15年ほど携わる医師。生活習慣病・ホルモン・栄養の相談を日常的に受けています。中立性の担保と診療継続のため、ペンネームで執筆しています。→ 運営者について

この記事は健康情報の提供を目的としたものであり、診断・治療に代わるものではありません。本文で紹介した内容は、日本整形外科学会の解説「肘部管症候群」と日本手外科学会の手外科シリーズ8「肘部管症候群」にもとづくもので、公開時点の情報です。手のしびれの原因はさまざまなので、自己判断せず整形外科に相談してください。掲載内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからお知らせください。