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体型と代謝

キーンベック病とは
——手首の真ん中の骨がつぶれて、手首が痛む

手を使ったあと、手首が痛んで腫れる。握る力が弱くなり、手首が動かしにくい。
日本整形外科学会によると、手首の月状骨(げつじょうこつ)がつぶれて扁平化する病気をキーンベック病といいます。日本手外科学会のパンフレットでは「月状骨軟化症」とも書かれています。
症状、原因、診断、治療を、日本整形外科学会と日本手外科学会の資料で整理します。

執筆:なぎ先生(内科医) 公開:2026年11月4日 読了:約4分

1. 先に結論

知っておきたいこと資料の記述
どんな病気か手首にある月状骨がつぶれて扁平化する
症状手を使った後の手首の痛みと腫れ。握力が低下し、手首の動きが悪くなる
多い人原因は不明。手をよく使う青壮年の男性に多い。女性や高齢者にもみられることがある
治療症状や年齢などで変わる。安静・ギプス・装具による固定、手術

この記事でいちばんお伝えしたいこと。

キーンベック病は、初期にはX線(レントゲン)検査やMRIで月状骨の輝度の変化が出て、末期には無腐性壊死になってつぶれる病気です。日本手外科学会は、MRI検査は早期診断に有用としています。治療は症状や年齢、変形の進み方によって変わるので、詳しくは整形外科医に相談してください。

2.【核心】月状骨は、血流が乏しく壊死しやすい骨

日本整形外科学会によると、月状骨は手首(手関節)に8つある手根骨の1つで、ほぼ中央に位置します。月状骨は周囲がほぼ軟骨に囲まれていて血行が乏しいため、血流障害になり壊死しやすい骨の1つです。

段階資料の記述
初期血行不全のため、X線検査やMRIで月状骨の輝度の変化が出る
末期無腐性壊死(むふせいえし)になり、つぶれて扁平化する

出典:日本整形外科学会「キーンベック病」をもとに整理。

原因は不明です。日本整形外科学会は、職業的には手をよく使う青壮年の男性に多くみられる一方、明らかな外傷や職歴のない女性、高齢者にもみられることがあるとしています。一説には、月状骨の小さな不顕性骨折(はっきりしない骨折)が原因とも考えられています。

3. 症状と診断

資料の記述
症状手を使った後、手首に痛みと腫脹。握力が低下し、手首の動きが悪くなる
診察症状に加えて、手の甲(手背)の中央に押して痛いところ(圧痛)がある
X線(レントゲン)検査月状骨に輝度変化が生じていたり、変形が生じていれば診断がつく
MRI検査より詳しい状況がわかる。日本手外科学会は早期診断に有用としている

出典:日本整形外科学会「キーンベック病」、日本手外科学会 手外科シリーズ16「キーンベック病(月状骨軟化症)」(2024年3月改訂)をもとに整理。

手首の甲にできるしこりはガングリオンの記事で、転んで手をついたあとの手首の骨折は手首の骨折の記事で書いています。

4. 治療——固定から手術まで、進み方で変わる

日本整形外科学会によると、症状、年齢などによって治療が変わります。日本手外科学会のパンフレットは、変形の進み方によっても治療法が異なるとしています。

状態治療
初期や、痛みが強いとき安静や、ギプス・装具による固定
固定でよくならないときいろいろな手術。月状骨にかかる力を減らすための橈骨短縮骨切り術や、骨移植(遊離や血管柄付きなど)など
末期壊死した月状骨を摘出したり、そこに腱球挿入(腱を丸めてスペーサーとして利用)したりする方法など

出典:日本整形外科学会「キーンベック病」、日本手外科学会 手外科シリーズ16「キーンベック病(月状骨軟化症)」をもとに整理。

最後に、この記事の要点をもう一度。

① キーンベック病は、手首の月状骨がつぶれて扁平化する病気

② 月状骨は周囲がほぼ軟骨に囲まれ、血行が乏しく壊死しやすい

③ 手を使った後の手首の痛みと腫れ、握力の低下。手の甲の中央を押すと痛い

④ 原因は不明。手をよく使う青壮年の男性に多いが、女性や高齢者にもみられる

⑤ 治療は安静・ギプス・装具から、橈骨短縮骨切り術などの手術まで。MRIは早期診断に有用

5. よくある質問

キーンベック病とはどんな病気ですか?

日本整形外科学会によると、手首にある月状骨がつぶれて扁平化する病気です。月状骨は周囲がほぼ軟骨に囲まれていて血行が乏しいため、血流障害になり壊死しやすい骨の1つです。

どんな症状が出ますか?

学会によると、手を使った後に手首の痛みと腫れがみられます。握力が低下し、手首の動きが悪くなります。手の甲の中央に、押して痛いところがあります。

女性もなりますか?

日本整形外科学会によると、原因は不明で、職業的には手をよく使う青壮年の男性に多くみられますが、明らかな外傷や職歴のない女性や高齢者にもみられることがあります。

どんな治療をしますか?

学会によると、症状や年齢などによって治療が変わります。初期や痛みが強いときには安静やギプス、装具による固定を行い、よくならないときには橈骨短縮骨切り術や骨移植などの手術が行われます。末期では壊死した月状骨を摘出する方法などがあります。

参考にした主な資料

凪
なぎ先生

内科系の臨床に15年ほど携わる医師。生活習慣病・ホルモン・栄養の相談を日常的に受けています。中立性の担保と診療継続のため、ペンネームで執筆しています。→ 運営者について

この記事は健康情報の提供を目的としたものであり、診断・治療に代わるものではありません。本文で紹介した内容は、日本整形外科学会の解説「キーンベック病」と日本手外科学会の手外科シリーズ16「キーンベック病(月状骨軟化症)」にもとづくもので、公開時点の情報です。手首の痛みの原因はさまざまなので、自己判断せず整形外科に相談してください。掲載内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからお知らせください。