1. 先に結論
| 知っておきたいこと | 資料の記述 |
|---|---|
| どんな状態か | 乳児の頃から、親指の第1関節が曲がったままで伸びない |
| 痛み | 付け根の部分にしこりが触れることがあるが、あまり痛がらない |
| 気づくきっかけ | 生後3か月になって、親指を伸ばさないことに親が気づく |
| 治療 | 自然治癒することがあるので、様子を見るか装具をあてる。小学校入学前までによくならなければ手術になることもある |
この記事でいちばんお伝えしたいこと。
強剛母指は、自然治癒することがあるとされ、治療は様子を見るか装具をあてることから始まります。小学校入学前までによくならなければ手術になることもあり、日本手外科学会は、手術による障害はほとんどありませんとしています。
2.【核心】太くなった腱が、トンネルを通れない
日本手外科学会によると、原因は不明です。そのうえで、次のような仕組みが説明されています。
- 親指を曲げる腱が太くなり、かたいトンネル(靱帯性腱鞘)の中に入らなくなる
- そのため、親指が伸びなくなる
- まれに、親指が伸びた状態で、太くなった腱がトンネルを通ってもとに戻れなくなり、親指が曲がらなくなることがある
腱と靱帯性腱鞘の関係や、指の付け根が引っかかるばね指については、指と手首の痛みの記事で書いています。
3. 症状と診断
| 資料の記述 | |
|---|---|
| 症状 | 親指の第1関節が曲がったままで伸びない。付け根の部分にしこりが触れることがあるが、あまり痛がらない |
| 気づくとき | 生後3か月になって、親指を伸ばさないことに親が気づく |
| 診断 | 伸ばそうとしても伸びないことや、しこりがあることで診断する |
| 弾発現象 | 自分で伸ばすことはできないが、そとから伸ばそうとすると「コキッ」と音がして伸びることがある |
出典:日本手外科学会 手外科シリーズ10「強剛母指」(2024年3月改訂)をもとに整理。
4. 治療——様子を見るか装具、手術になることも
| 段階 | 資料の記述 |
|---|---|
| はじめ | 自然治癒することがあるので、様子を見る(放置する)か、装具をあてたりする |
| 小学校入学前までによくならない | 手術になることもある |
| 手術 | 狭くなったトンネル(靱帯性腱鞘)を開く。それによる障害はほとんどない |
出典:日本手外科学会 手外科シリーズ10「強剛母指」をもとに整理。
最後に、この記事の要点をもう一度。
① 強剛母指は、乳児の頃から親指の第1関節が曲がったまま伸びない状態
② 原因は不明。親指を曲げる腱が太くなり、トンネル(靱帯性腱鞘)を通れなくなる
③ 付け根にしこりが触れることがあるが、あまり痛がらない
④ そとから伸ばすと「コキッ」と音がして伸びることがある(弾発現象)
⑤ 自然治癒することがあり、様子を見るか装具。小学校入学前までによくならなければ手術も
5. よくある質問
強剛母指とはどんな状態ですか?
日本手外科学会によると、乳児の頃から、母指(親指)の第1関節が曲がったままで伸びない状態を強剛母指とよんでいます。付け根の部分にしこりが触れることがありますが、あまり痛がりません。
いつごろ気づきますか?
学会によると、生後3か月になって、親指を伸ばさないことに親が気づきます。伸ばそうとしても伸びないことや、しこりがあることで診断します。
原因は何ですか?
学会によると、原因は不明ですが、親指を曲げる腱が太くなり、かたいトンネル(靱帯性腱鞘)の中に入らなくなるため、親指が伸びなくなります。
手術が必要ですか?
学会によると、自然治癒することがあるので、様子を見るか装具をあてたりします。小学校入学前までによくならなければ手術になることもあります。手術は狭くなったトンネルを開くもので、それによる障害はほとんどないとされています。
参考にした主な資料
- 日本手外科学会 手外科シリーズ10「強剛母指」(2024年3月改訂)