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MEDICALLY REVIEWED BEAUTY & HEALTH
肌

やけど
——すぐ水道水で、衣服の上から15〜30分冷やす。自己判断で軟膏や油はつけず、皮膚科へ

料理中に熱湯や油がはねた。子どもが熱い飲み物をこぼした。寝ている間に、それほど熱くないものでやけどをしていた——そんな方に向けた記事です。
日本皮膚科学会によると、やけどの応急手当で最も大切なのはすぐに冷やすことです。熱湯や油のやけどでも、水道水でかまわないので衣服の上から、15〜30分冷やすとよいとされています。
そして、自分の判断で軟膏や油などは一切つけず、冷やしながらできるだけ早く皮膚科を受診すること。それが傷跡を最低限にすることにつながると、日本皮膚科学会は書いています。

執筆:なぎ先生(内科医) 公開:2026年10月24日 読了:約8分

1. 先に結論

よくある思い込み資料の記述
まず服を脱がせて、やけどを確かめる衣服の上から冷やす。慌てて脱がせると熱の作用が続いてより深いやけどになったり、水疱が破れて痛みが強くなったりする
冷やしたら、家にある軟膏や油を塗る医師の診察を受けるまで、自分の判断で軟膏や油など一切つけない。その後の治療に差し障りが出ることがある
熱くないものなら、やけどにはならない40〜55度くらいでもやけどになることがある(低温熱傷)。深いやけどが多いのが特徴
軽いやけどなら病院に行かなくていい浅いと思っていたやけどが実際には深く、想像もしなかったきずあとやひきつれを残すことがある。軽いと思ってもまず皮膚科に相談

この記事でいちばんお伝えしたいこと。

やけどをしたら、すぐ水道水で、衣服の上から15〜30分冷やしてください。指輪などは早めに外し、軟膏や油は塗らずに、冷やしながら皮膚科へ。軽そうに見えても、早めの受診が傷跡を最低限にします。

2.【核心】やけどの応急手当

やけどをしたら——応急手当の4つのポイント 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A やけど」Q2をもとに整理 ① すぐに冷やす 水道水でかまわない。15〜30分 指先や脚は1時間くらい 進行を止め、痛みも抑える ② 衣服の上から 慌てて脱がせない 幼児は衣服の下の広いやけどを 見逃しやすい ③ 指輪などは早めに外す やけどの部位は はれてくる ④ 何も塗らずに皮膚科へ 軟膏や油を自分の判断で つけない 冷やしながら、できるだけ早く 出典:日本皮膚科学会「皮膚科Q&A やけど」をもとに作図

冷却の時間は、体の部位や年齢によって一概には言えないとされています。

「やけどの応急手当としてはすぐに冷やす(やけどした部位を冷却する)ことが最も大切です。熱湯や油のやけどでも水道水でかまいませんので衣服の上から冷やすことがとても大切です。」(日本皮膚科学会「皮膚科Q&A やけど」Q2)

日本皮膚科学会は、慌てて衣服を脱がせると、熱の作用が続いてより深いやけどになったり、水疱が破れて痛みが強くなったり、回復に時間がかかったりするとしています。とくに幼児では、衣服の外のやけどに目をとられて、衣服の下のもっと広いやけどを見逃しやすいので注意が必要です。

3. 低温熱傷——40〜55度でも、深いやけどに

やけど(医学用語では熱傷)は、高い温度のものが皮膚に一定時間以上触れることで起こります。日本皮膚科学会によると、40〜55度くらいの、それほど高くない温度でもやけどになることがあります。

4. やけどの深さ——I度からIII度

深さ症状と経過(資料の記述)
I度熱傷赤くなり、痛い。数日で良くなる。とくに治療をしなくても傷跡を残すことはないが、炎症を抑える軟膏が有効
浅達性II度熱傷赤くなり、水ぶくれができ、痛い。水疱の底を押すと赤みが消える。医師の治療を受けるとふつうは1〜2週間で、多くは傷跡を残さない
深達性II度熱傷赤から紫色〜白くなり、水ぶくれができ、痛みは軽い。水疱の底を押しても赤みが消えない。1か月以上かかり、傷跡やひきつれを残すことが多い
III度熱傷黒色、褐色または白色。水ぶくれはできず、痛くない。基本的に入院して植皮術などの外科的治療が必要

注目したいのは、深いやけどほど痛みが軽い、または痛くないことです。日本皮膚科学会は、医師の治療を受けなかったり、細菌感染が起きたり、糖尿病などの基礎疾患があったりすると、浅いやけどでも深くなり、時間がかかったり傷跡を残したりするとしています。

5. どこで治療を受けるか、入院が必要なやけど

日本皮膚科学会は、軽いやけどと思ってもまず皮膚科医に相談することを勧めています。最近は、やけどなどの傷の治療に優れた軟膏や被覆材が病院で使えるようになっています。小さく浅いやけどでも、良い結果を得るためには、やけどのあと7〜10日間くらいは基本的に毎日医師の診察を受けることが勧められています。

入院が必要なやけど資料の記述
部位手足、顔面、陰部などは総合病院の皮膚科で、入院のうえで治療を受ける必要がある
人心臓病・糖尿病などの基礎疾患のある高齢の方や子どもは、小さい範囲でも入院したほうがよい
範囲II度熱傷が全体表の15%、III度熱傷が2%を超える場合は入院が原則。30%を超えると熱傷ショックで命に関わることもある
種類火災や狭い部屋でのやけど(気道熱傷のおそれ)、電気によるやけど(電撃症)、化学薬品によるやけど(化学熱傷)

6. 傷跡を目立たせないために

日本皮膚科学会によると、I度熱傷のような浅いやけど以外は傷跡が残ります。浅いやけどでは、赤みが残ったり、茶色になる色素沈着が起こったりします。

「色素沈着は紫外線に当たることが原因となりますので紫外線を防ぐ遮光が必要です。」(日本皮膚科学会「皮膚科Q&A やけど」Q6)

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この章で扱った遮光のための日焼け止めです。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、やけどのあとの色素沈着は紫外線に当たることが原因になるので、紫外線を防ぐ遮光が必要としています。

※ 当サイトは、記事のなかで根拠を示したうえで推奨したものに限り広告を掲載しています。日焼け止めは、やけどが治ったあとの肌に使うものです。やけどの傷(水ぶくれ・ただれ)がある間は、皮膚科医の指示どおりに手当てし、自分の判断で塗らないでください。ここで紹介しているのは、紫外線吸収剤を使わず(紫外線散乱剤のみ)、美白有効成分を含まない化粧品の日焼け止めです(SPF32・PA+++、光アレルギーテスト・ノンコメドジェニックテスト済みとメーカーが表示)。量と塗り直しについては日焼け止めの記事をご覧ください。屋外スポーツや海・山ではSPF50+・PA++++のものを選んでください。

深めのやけどでは、傷跡が盛り上がってケロイドやひきつれ(瘢痕拘縮)になることがあります。できてしまった傷跡を目立たなくする治療として、日本皮膚科学会は次を挙げています。

傷跡が目立っても、しばらくすると目立たなくなる場合も多いので、落胆せずに専門医に相談するよう勧められています。また、やけどから長い時間がたった傷跡にできものや潰瘍ができてきたら、皮膚がんなどの悪性腫瘍の疑いがあるため、すぐに皮膚科医に相談することが大切とされています。ケロイドについては傷あと・ケロイドの記事で詳しく書いています。

7.【内科医の視点】糖尿病や持病がある人は、小さなやけどでも早めに

内科医として、ここはぜひ知っておいてほしいところです。資料は、糖尿病などの基礎疾患があると浅いやけどでも深くなり、時間がかかったり傷跡を残したりするとしています。さらに、心臓病・糖尿病などの基礎疾患のある高齢の方は、小さい範囲でも入院して治療する方が良いとされています。持病のある方やご家族は、範囲が小さくても安心せず、早めに皮膚科に相談してください。

もう一つは、深いやけどほど痛みが軽いことです。資料の深さの表では、深達性II度熱傷は痛みが軽度、III度熱傷は痛くないとされています。痛くないから軽い、とは限りません。切り傷やすり傷の手当てについては切り傷・すり傷と破傷風の記事で書いています。

8. 受診したいとき

すぐに救急・総合病院を受診したいとき(資料の記述)

・やけどの範囲が広い(体表の30%を超えると熱傷ショックで命に関わることがある)

・火災や狭い部屋でやけどをした(気道熱傷のおそれ)

・電気や化学薬品によるやけど

皮膚科を受診したいとき

・やけどをした(軽いと思ってもまず皮膚科に相談)

・手足、顔、陰部のやけど

・子どものやけど、持病のある高齢の方のやけど

・水ぶくれができた、痛みが少ないのに白っぽい・黒っぽい

・古いやけどの傷跡にできものや潰瘍ができてきた

最後に、この記事の要点をもう一度。

① すぐに水道水で、衣服の上から15〜30分冷やす(指先や脚は1時間くらい)

② 慌てて服を脱がせない。指輪などは早めに外す

③ 軟膏や油は自分の判断でつけず、冷やしながら皮膚科へ

④ 40〜55度でも低温熱傷になる。深いやけどほど痛みが少ない

⑤ 色素沈着には遮光。ケロイドやひきつれには治療がある

9. よくある質問

やけどをしたら、まず何をすればいいですか?

日本皮膚科学会によると、すぐに冷やすことが最も大切です。熱湯や油のやけどでも水道水でかまわないので、衣服の上から冷やします。体の部位や年齢により一概には言えませんが、15〜30分間冷やすとよく、指先や脚のやけどでは1時間くらい冷やすことが症状を軽くするとされています。

やけどに家にある軟膏や油を塗ってもいいですか?

日本皮膚科学会は、自分の判断で油薬などをつけるとその後の治療に差し障りが出ることがあるため、医師の診察治療を受けるまで、やけどをした部位には自分の判断で軟膏や油など一切つけないようにとしています。

熱くないものでもやけどになりますか?

日本皮膚科学会によると、40〜55度くらいのそれほど高くない温度でもやけどになることがあります。皮膚が薄い子どもや高齢者、成人でも深く寝込んでいるときには、比較的低い温度でも持続的に加熱されることでやけどになります。これを低温熱傷といい、深いやけどが多いのが特徴です。

軽いやけどでも病院に行ったほうがいいですか?

日本皮膚科学会は、軽いやけどと思ってもまず皮膚科医に相談して治療することを勧めています。浅いと思っていたやけどが実際には深く、想像もしなかったような傷跡やひきつれを残すことがあるためです。冷やしながらできるだけ早く皮膚科医の診察を受けることが、傷跡を最低限にすることにつながるとされています。

やけどの跡を目立たなくするにはどうすればいいですか?

日本皮膚科学会によると、浅いやけどのあとの色素沈着は紫外線が原因になるため、紫外線を防ぐ遮光が必要です。盛り上がった傷跡には、副腎皮質ステロイドの軟膏・クリーム・テープや、弾力のある包帯やサポーターによる圧迫、内服薬などの治療があり、高度な場合は手術を行うこともあります。専門医に相談して方法を選ぶよう勧められています。

参考にした主な資料

凪
なぎ先生

内科系の臨床に15年ほど携わる医師。生活習慣病・ホルモン・栄養の相談を日常的に受けています。中立性の担保と診療継続のため、ペンネームで執筆しています。→ 運営者について

この記事は健康情報の提供を目的としたものであり、診断・治療に代わるものではありません。本文で紹介した内容は、日本皮膚科学会の一般向け解説「皮膚科Q&A」にもとづくもので、公開時点の情報です。やけどをしたら、すぐに冷やしながら皮膚科を受診してください。範囲が広いやけど、火災や電気・化学薬品によるやけどは、すぐに救急を受診してください。掲載内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからお知らせください。