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MEDICALLY REVIEWED BEAUTY & HEALTH
肌

とびひとは
——あせもや虫刺されのかき壊しから、火事の飛び火のように広がる

子どもの虫刺されやあせもがジクジクしてきた、水ぶくれが広がってきた——そんなときに知っておきたい皮膚の感染症です。
日本皮膚科学会によると、とびひ(正式な病名は伝染性膿痂疹)は、ブドウ球菌や溶連菌などの細菌による皮膚の感染症です。接触でうつって、火事の飛び火のようにあっという間に広がります。
細菌が原因なので免疫はできず、何回でもかかります。

執筆:なぎ先生(内科医) 公開:2026年10月29日 読了:約7分

1. 先に結論

よくある思い込み資料の記述
とびひのときはお風呂に入れないほうがいい発熱などがなければ入浴させ、泡立てたせっけんでそっと洗う。湯船には入らずシャワーがよい
一度かかれば、もうかからない細菌が原因なので免疫はできず、何回でもかかる
プールの水でうつるプールの水ではうつらないが、触れることで悪化させたり人にうつしたりする恐れがあるので、完全に良くなるまでプールは禁止
とびひは子どもだけの病気まれに大人もなる。かさぶた型は小児より成人に多い

この記事でいちばんお伝えしたいこと。

とびひは、かきむしったところのしみ出た液や水ぶくれの中身で、次々にうつります。学会は、鼻の入り口に原因の細菌がたくさんいるので鼻をいじらないこと、爪を短く切る、手を洗うことが大切だとしています。

2. どうしてなるのか——かき壊しと、鼻の入り口

日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aによると、とびひは次のようにして起こります。

3. 2つのタイプ——水ぶくれ型とかさぶた型

水疱性膿痂疹(水ぶくれ型)痂皮性膿痂疹(かさぶた型)
原因菌黄色ブドウ球菌。菌が作る毒素が皮膚の細胞どうしのつなぎ目を壊し、水ぶくれができる溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)
多い人・時期乳幼児・小児。特に初夏から真夏に多い季節にはあまり関係なく、小児より成人に多い。アトピー性皮膚炎などに合併することが多い
症状かき壊したところのまわりに小さな水ぶくれができ、周りが赤くなる。中身は次第に膿になり、簡単に破れて皮膚がむける。中身やしみ出た液で周囲へ広がる赤く腫れたところに小さな膿疱ができ、厚いかさぶたになる。炎症が強く痛む。発熱、リンパ節の腫れ、のどの痛みを伴うこともある

出典:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「とびひ」Q2〜Q7をもとに整理。とびひの多くは水ぶくれ型です。

アトピー性皮膚炎についてはアトピー性皮膚炎の記事で書いています。

4. 治療

学会によると、治療は次のように行います。

5.【核心】家でのケア——入浴と洗い方

学会は、とびひのときの入浴について次のように書いています。

「とびひを発症させてしまった場合も、発熱などの全身症状がない限り、入浴させ、泡だてたせっけんで病変部をそっと丁寧に洗い流します。」(日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「とびひ」Q9)

6. 予防——鼻・爪・手洗い

学会は、予防として次の点を挙げています。

細菌が原因なので、ウイルスの病気と違って免疫はできません。皮膚のバリアが壊れてブドウ球菌や溶連菌に感染すると、何回でもとびひにかかります。

7. プールと、登校・登園

資料の記述
プールプールの水ではうつらないが、触れることで症状を悪化させたり、ほかの人にうつしたりする恐れがあるので、完全に良くなるまで禁止(日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会の統一見解)
登校・登園学校保健安全法の「学校感染症、第三種(その他の感染症)」。医師に診てもらって治療し、病変部をガーゼや包帯できちんと覆って露出していなければ、学校を休む必要はない。ただし病変が多い・広い、全身症状がある場合は休ませるほうがよい

水ぼうそうなど、子どもの発疹が出る感染症とプールの関係は発疹が出るウイルス感染症の記事で書いています。

8. まれな合併症と、大人のとびひ

学会によると、ふつうのとびひはその部分だけの病気ですが、まれに全身に影響する状態があります。

とびひは通常は子どもに多い病気ですが、まれに大人もなります。かさぶた型は年齢に関係なく起こり、水ぶくれ型もまれに成人に起こります。学会は、特に高齢者は皮膚が薄く傷つきやすく、バリア機能が落ちているため細菌に感染しやすいとしています。高齢者では、大きな水ぶくれができる水疱性類天疱瘡などとの区別が必要なこともあります。

9. 受診したいとき

資料にあるもの

・虫刺されやあせものかき壊しのまわりに、水ぶくれやジクジクが広がってきた

・赤く腫れて厚いかさぶたができ、痛む(発熱、リンパ節の腫れ、のどの痛みを伴うことも)

・皮膚がやけどのようにむけてきた

・アトピー性皮膚炎があり、とびひに高熱が加わった

・薬を使ってもなかなか良くならない

最後に、この記事の要点をもう一度。

① とびひはブドウ球菌や溶連菌による皮膚の感染症。かき壊しや鼻の入り口から始まる

② 多いのは子どもの水ぶくれ型。かさぶた型は成人に多く、アトピー性皮膚炎に合併しやすい

③ 発熱がなければシャワーで、泡立てたせっけんでそっと洗う。洗ったあとは軟膏とガーゼで覆う

④ 予防は鼻をいじらない・爪を短く・手洗い。免疫はできず何回でもかかる

⑤ プールは完全に良くなるまで禁止。きちんと覆っていれば学校を休む必要はない

10. よくある質問

とびひとは何ですか?

日本皮膚科学会によると、正式な病名を伝染性膿痂疹という、ブドウ球菌や溶連菌などの細菌による皮膚の感染症です。接触でうつり、火事の飛び火のようにあっという間に広がることから、とびひと呼ばれています。あせもや虫刺され、湿疹のかき壊しや傷から始まります。

とびひのとき、お風呂に入ってもいいですか?

学会によると、発熱などの全身症状がない限り入浴させ、泡立てたせっけんで病変部をそっと丁寧に洗い流します。湯船には入らずシャワーがよく、きょうだいがいる場合はほかの子のあとで入浴させます。入浴後は軟膏を塗ってガーゼなどで覆います。

プールに入ってもいいですか?

学会によると、プールの水ではうつりませんが、触れることで症状を悪化させたり、ほかの人にうつしたりする恐れがあるので、プールや水泳は完全に良くなるまで禁止とされています。

学校や保育園は休むべきですか?

学会によると、医師に診てもらって治療し、病変部をガーゼや包帯できちんと覆って露出していなければ、学校を休む必要はありません。ただし、病変が多い・広い場合や全身症状がある場合は、休んで治療することが必要になることがあります。

一度かかれば、もうかかりませんか?

学会によると、とびひは細菌が原因なので、ウイルスの病気と違って免疫はできず、何回でもかかります。皮膚を清潔にする、傷つけない、爪を短く切る、手をよく洗うなどの予防が重要です。

大人もとびひになりますか?

学会によると、通常は子どもに多い病気ですが、まれに大人もなります。厚いかさぶたができるタイプは小児より成人に多く、アトピー性皮膚炎に合併しやすいとされています。高齢者は皮膚が薄くバリア機能が落ちているため、細菌に感染しやすいとされています。

参考にした主な資料

凪
なぎ先生

内科系の臨床に15年ほど携わる医師。生活習慣病・ホルモン・栄養の相談を日常的に受けています。中立性の担保と診療継続のため、ペンネームで執筆しています。→ 運営者について

この記事は健康情報の提供を目的としたものであり、診断・治療に代わるものではありません。本文で紹介した内容は、日本皮膚科学会の皮膚科Q&A「とびひ」にもとづくもので、公開時点の情報です。とびひが疑われる場合は、皮膚科や小児科を受診してください。掲載内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからお知らせください。