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MEDICALLY REVIEWED BEAUTY & HEALTH
からだの変化

カラコン(カラーコンタクトレンズ)
——おしゃれ用でも医療機器。眼科を受診せずに買った人に起きたこと

黒目を大きく見せるサークルレンズを含め、カラーコンタクトレンズは、おしゃれアイテムの一つとして定着しています(消費者庁)。
でも、視力補正を目的としないカラコンも、高度管理医療機器です。消費者庁によると、約5年半の間に、コンタクトレンズに関する事故情報が242件、うちカラーコンタクトレンズによるものが75件寄せられました。
どんな目のトラブルが起きているのか、買う前・使うとき・異常を感じたときに何をすればよいのかを、消費者庁、国民生活センター、厚生労働省の資料で整理します。

執筆:なぎ先生(内科医) 公開:2026年11月7日 読了:約6分

1. 先に結論

知っておきたいこと消費者庁・国民生活センター・厚生労働省の資料
位置づけ視力補正を目的としないカラコンも、2009年11月から高度管理医療機器
事故の数2016年1月〜2021年7月に、コンタクトレンズの事故情報242件、うちカラコン75件(消費者庁)
買う前カラーであっても、まず眼科医を受診し、自分に合ったレンズを処方してもらい、定期検診の頻度を決めてもらう
使うとき使用期限を守る、貸し借りしない、適切なレンズケア
異常を感じたら充血、異物感、痛み、まぶしさ、かゆみなど。すぐにレンズを外し、眼科へ

この記事でいちばんお伝えしたいこと。

消費者庁は、「購入する際は、カラーであっても、まず眼科医を受診し、自分に合ったコンタクトレンズを処方してもらい、定期検診の頻度を決めてもらいましょう」と呼びかけています。国民生活センターは、異常を感じていなくても3カ月に1回は定期検査を受けるよう勧めています。

2. カラコンも「高度管理医療機器」です

厚生労働省によると、2009年11月4日から、視力補正を目的としないカラーコンタクトレンズ(おしゃれ用カラーコンタクトレンズ)は、視力補正用コンタクトレンズと同じように、高度管理医療機器として医薬品医療機器法の規制対象になっています。消費者庁は、かつては雑貨として扱われていたものが、レンズの安全性の問題などをきっかけに位置づけられたとしています。

項目資料の記述
高度管理医療機器とは副作用や機能の障害が生じた場合に、人の生命や健康に重大な影響を与えるおそれがあることから、適切な管理が必要なもの(消費者庁)
製造・輸入厚生労働大臣の承認が必要(厚生労働省)
販売都道府県知事の販売業の許可、販売管理者の設置が必要(厚生労働省)
この記事でいうカラコン黒目を大きく見せる目的のサークルレンズを含めて、視力補正の有無にかかわらず黒目の外観を変える目的のもの(消費者庁の資料の定義)

出典:厚生労働省「おしゃれ用カラーコンタクトレンズについて」、消費者庁「コンタクトレンズによる眼障害について-カラーでも必ず眼科を受診し、異常があればすぐに使用中止を-」(2021年9月10日)をもとに整理。

消費者庁によると、コンタクトレンズの使用者は全国で1,500万〜1,800万人ともいわれ、国民の約10人に1人が装用していると見込まれます。購入先は、インターネット販売店が全体の約4割で最も多くなっています。

3. 事故は約5年半で242件、うちカラコン75件

消費者庁の事故情報データバンクには、2016年1月から2021年7月までに、コンタクトレンズに関する事故等が寄せられています。

項目消費者庁の集計
事故情報コンタクトレンズ242件、うちカラコン75件
治療に1か月以上クリアコンタクトレンズで4件、カラコンで2件
年代総数では30歳代にピーク。カラコンでは20歳代の事故件数が最も多く、より若い世代で多い
性別総数では女性が7割。カラコンに限ると約9割が女性

出典:消費者庁「コンタクトレンズによる眼障害について」(2021年9月10日)。事故情報データバンクには、事実関係や因果関係が確認されていない事例も含まれる。

消費者庁の資料には、次のような事例が載っています。

また消費者庁は、小売販売業者からの購入時の受診勧奨が消費者に認識されていない場合や、一度も眼科医を受診しないまま購入している場合があり、特にカラコンの場合、その割合が高くなっていますとしています。

4.【核心】眼科を受診せずに買った人に起きたこと

国民生活センターの「医師からの事故情報受付窓口」(ドクターメール箱)には、2017年7月20日までに、コンタクトレンズの装用による眼障害と診断された情報が50件寄せられました。

項目国民生活センターのまとめ(50件)
年代・性別20〜30歳代が78.0%。女性が41件(82.0%)
購入のしかたいずれも医療機関を受診せずにコンタクトレンズを購入していた
購入先インターネット通販が26件(59.1%)で最も多い
レンズの種類ソフトコンタクトレンズが39件で、そのうち24件がカラコン
障害の内容不適切なレンズケアなどによる角膜上皮障害(角膜浸潤、角膜潰瘍、表層角膜炎など)、長時間装用などによる酸素不足からの角膜内皮障害や角膜血管新生

出典:国民生活センター「コンタクトレンズによる目のトラブルにご注意ください-「医師からの事故情報受付窓口」から-」(2017年8月3日公表)をもとに整理。

寄せられた情報には、次のようなものがあります。

国民生活センターの資料に寄せられた眼科医のアドバイスでは、カラコン使用者はおしゃれのためのアイテムとして捉えているため、装用にリスクが伴うことも、ささいなトラブルが重症に進むことがあることも理解していないことが多い、とされています。

5. コンタクトレンズで起きる目の障害

障害国民生活センターの説明
表層角膜炎コンタクトレンズによる障害で多い。角膜に傷が生じる。傷が広く深くなると角膜上皮びらん、角膜潰瘍へと進む
角膜上皮びらん黒目の表面の角膜上皮層の一部が脱落した状態で、痛みを伴う
角膜浸潤角膜上皮層や角膜実質などが炎症を起こした状態。感染を伴うと重症化しやすい
角膜潰瘍感染などにより角膜実質が傷んだ状態。重度の眼障害で、最悪の場合、角膜に穴が開いたり、細菌が眼球の中に入って失明することもある
角膜血管侵入もともと血管のない角膜に、結膜などから血管が入り込み、角膜中央に向かって伸びる重い障害
巨大乳頭結膜炎上まぶたの裏側(結膜)にブツブツ(乳頭)が生じる障害

出典:国民生活センター「コンタクトレンズによる目のトラブルにご注意ください」(2017年8月3日公表)の参考資料をもとに整理。

消費者庁は、重い病気の角膜潰瘍になると、治療しても後遺症が残ることがありますとしています。

6. 事故を防ぐ3つのポイント

場面消費者庁・国民生活センターのアドバイス
① 買う前角膜のカーブやサイズに合わないレンズは、異物感やずれて角膜を傷つける原因になる。アレルギーや極度のドライアイなどで装用に適さない人もいて、自分では分からない。特に初めて買うときは眼科での正確な検査が必要。眼科医の処方に基づき、高度管理医療機器等販売業の許可を受けた事業者から買う
② 使うとき使用期限を守る。友人と貸し借りしない。連続装用できないレンズを付けたまま寝ない。装用前に破損がないか確認。化粧品もレンズの汚れの原因になる。一部の消毒液はカラコンには使えないものもあり、眼科医の指示に従ってケア用品を選ぶ
③ 異常を感じたらすぐにレンズを外して眼科へ。ソフトコンタクトレンズは、角膜に傷ができてもレンズが傷を覆い隠すので、軽い傷では気づきにくく、重症化する場合が少なくない。使っているレンズと同じものが手元にあれば持参する
定期検査自覚症状がなくても眼障害が起きていることがある。異常を感じていなくても、3カ月に1回は必ず定期検査を受ける(国民生活センター)

出典:消費者庁「コンタクトレンズによる眼障害について」(2021年9月10日)の「事故を防ぐために」、国民生活センター「コンタクトレンズによる目のトラブルにご注意ください」(2017年8月3日公表)の「消費者へのアドバイス」をもとに整理。

消費者庁は、カラコンについて、眼科医が使用中止を指示しても使い続けてしまった事例もあるとしています。どの種類のコンタクトレンズでも、使用中止の指示があったら使い続けるのは危険です。目の乾きについてはドライアイの記事で書いています。

7. 海外から買うカラコン(個人輸入)

個人輸入のカラコンは、日本で安全性や品質が確認されていません。

消費者庁によると、海外からインターネットなどで買うもの(海外で買って持ち帰るものも含む)は、医薬品医療機器等法に基づく品質、有効性、安全性の確認がされていません。外装なども海外仕様で、トラブルがあっても製造元に連絡するのは難しく、健康被害が起きても保証があるものではありません。

海外通販で買う医薬品や化粧品のリスクは、海外通販の美白クリームの記事で整理しています。

最後に、この記事の要点をもう一度。

① おしゃれ用のカラコンも高度管理医療機器

② 事故は約5年半で242件、うちカラコン75件。カラコンは20歳代、女性が約9割

③ 買う前に眼科で処方を受け、定期検診の頻度を決めてもらう

④ 使用期限を守る、貸し借りしない、着けたまま寝ない、正しいレンズケア

⑤ 充血・異物感・痛み・まぶしさ・かゆみは、すぐ外して眼科へ

8. よくある質問

度の入っていないカラコンでも、眼科を受診する必要がありますか?

視力補正を目的としないカラコンも、2009年11月から高度管理医療機器です。消費者庁は、カラーであっても、まず眼科医を受診し、自分に合ったコンタクトレンズを処方してもらい、定期検診の頻度を決めてもらうよう呼びかけています。

友達とカラコンを貸し借りしてもいいですか?

消費者庁は、友人と貸し借りをしたり、連続装用できないコンタクトレンズを付けたまま寝てしまったりするなどの危険な使い方をしてはいけないとしています。

1日使い捨てのレンズを、何日か使ってもいいですか?

消費者庁は、使用期限のあるコンタクトレンズは使用期限を守るよう呼びかけています。資料には、1日使い捨てのコンタクトレンズを14日間使い、角膜を損傷した事例が載っています。

カラコンを着けていて目が痛くなったら、どうすればいいですか?

消費者庁は、目の充血や異物感、痛み、まぶしさ、かゆみなどの異常を感じたら、すぐにレンズを目から外し、直ちに眼科医に相談するよう勧めています。使っているレンズと同じものが手元にあれば持参するよう案内しています。

参考にした主な資料

凪
なぎ先生

内科系の臨床に15年ほど携わる医師。生活習慣病・ホルモン・栄養の相談を日常的に受けています。中立性の担保と診療継続のため、ペンネームで執筆しています。→ 運営者について

この記事は健康情報の提供を目的としたものであり、診断・治療に代わるものではありません。本文で紹介した内容は、消費者庁の注意喚起(2021年9月10日)、国民生活センターの発表(2017年8月3日)、厚生労働省「おしゃれ用カラーコンタクトレンズについて」にもとづくもので、公開時点の情報です。目に異常を感じたときは、すぐにレンズを外して眼科を受診してください。掲載内容の誤りにお気づきの際はお問い合わせからお知らせください。