1. 先に結論——期待していいこと、してはいけないこと
この記事は長くなります。先に、持ち帰っていただきたいことをまとめます。
この記事の結論。
- 腸内細菌の研究は、本物の盛り上がりです。肌・筋肉・脳との関係を示す研究が、実際に次々と出ています。「怪しい話」ではありません
- ただし、ほとんどが「関連がある」までの段階です。「腸内細菌が原因で、こうなる」という因果関係まで示せた研究は、まだごく限られています
- だから「これを飲めば整う」と言い切る商品は、科学より先を行きすぎています。研究者ほど慎重な言い方をします。断言する広告ほど、根拠から遠いと考えてください
- それでも、今日からできる確実なことはあります。食物繊維を主食から増やす。発酵食品を毎日少しずつ。いろいろな植物性食品を食べる。この3つは、腸内細菌の話を抜きにしても健康にとって価値があります
- そして最も大切なこと。薬を自己判断でやめないでください。腸内細菌に影響する薬はありますが、その薬はもっと重い問題を防ぐために出されています
「まだ分かっていない」と書くと、がっかりさせてしまうかもしれません。でも私は、分かっていないことを分かっていないと言うことこそが、あなたのお金と時間を守ると思っています。この分野は、期待が大きいぶん、それに乗っかった商品も多いのです。
2. あなたの中の100兆——そして日本人の腸は、世界的にかなり変わっている
人の大腸には、およそ1,000種・100兆個ともいわれる細菌が住んでいます。この集まりを腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)、あるいは腸内フローラと呼びます。近年は、これらの遺伝子をまとめてマイクロバイオームと呼ぶことも増えました。
面白いのは、この菌の顔ぶれが国によってはっきり違うということです。ここで、日本発の重要な研究をひとつ紹介させてください。
日本人106人と、11か国861人を比べた研究
2016年、日本の研究グループが、健康な日本人106人の腸内細菌の遺伝子をまとめて解析し、11か国861人のデータと比較しました。その結果、日本人の腸内細菌には、はっきりした特徴があることが分かりました。
| 日本人の腸の特徴 | 内容 |
|---|---|
| ビフィズス菌が多い | ビフィズス菌が属するグループの割合が、比較した国の中で最も高く、日本人では平均17.9%でした |
| 海藻を分解できる | のりなどの海藻を分解する酵素の遺伝子(ポルフィラナーゼ、アガラーゼ)を、日本人の約90%が保有していました。他国では、はるかに少ないことが知られています |
| ガスを作る菌が少ない | メタンを作る代表的な菌が検出されたのは日本人ではわずか7.7%。他国では39〜100%でした |
| 糖の代謝が得意 | 単糖やオリゴ糖といった、比較的単純な糖を扱う代謝経路が豊富でした |
のりを消化できる菌を9割の日本人が持っている——これは、私が初めて読んだとき素直に驚いた事実です。海藻を日常的に食べてきた食文化が、お腹の中の菌にまで刻まれている。菌は、その人が食べてきたものの記録でもあるのです。
ここから導かれる、実用的な注意点。海外発の「腸活」情報や、海外のデータをもとにした腸内フローラ検査・サプリメントが、日本人にそのまま当てはまるとは限りません。菌の顔ぶれが違えば、同じ食べ物への反応も変わりうるからです。この記事で日本発の研究を重視して紹介するのは、そういう理由です。
菌は何をしているのか——鍵は「短鎖脂肪酸」
腸内細菌の働きを理解するうえで、ひとつだけ覚えていただきたい言葉があります。短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)です。この記事の後半に何度も出てきます。
厚生労働省のe-ヘルスネットは、こう説明しています。食物繊維は消化・吸収を受けずに大腸まで達し、そこで腸内細菌に分解・利用される。すると酢酸・酪酸(らくさん)・プロピオン酸といった短鎖脂肪酸や乳酸が作られる。これらの酸は大腸内を酸性に保ち、善玉菌が増えやすい環境をつくるとともに、悪玉菌の増殖を抑える——と。
つまり流れはこうです。
あなたが食べた食物繊維
↓
腸内細菌がそれを食べる
↓
短鎖脂肪酸ができる
↓
腸の環境が整い、全身に影響が及ぶ(らしい)
この「短鎖脂肪酸」が、肌の話にも、筋肉の話にも、脳の話にも顔を出します。腸内細菌が遠くの臓器に影響しうるとしたら、その主な使者がこれだと考えられているのです。そして注目してほしいのは、この一連の流れの入口が「あなたが食べた食物繊維」だということ。菌そのものより、菌に何を食べさせるかのほうが、私たちの手の届く場所にあります。
3. 【美】腸と肌はつながっているのか
このサイトは「見た目の悩みは、体の中から」を掲げています。腸と肌の関係は、まさにその中心にあるテーマです。ここは期待も大きいところなので、とくに正直に書きます。
考えられているメカニズム
腸と皮膚のつながりは腸-皮膚軸(gut-skin axis)と呼ばれ、研究が進んでいます。短鎖脂肪酸と炎症性皮膚疾患についての総説では、次のような仕組みが整理されています。
| 経路 | 内容 |
|---|---|
| 免疫のブレーキを増やす | 短鎖脂肪酸は、免疫の暴走を抑える働きを持つ制御性T細胞への分化を促すとされています。炎症を進める方向の信号を抑える作用も報告されています |
| 皮膚のバリアを助ける | 酪酸は表皮の細胞で代謝され、皮膚のバリアに関わる脂肪酸の合成を高めるという報告があります |
| 皮膚表面を酸性に保つ | プロピオン酸・酪酸などが皮膚表面の酸性度の維持に関わり、病原菌の増殖を抑えると考えられています |
ヒトで見えていること
- アトピー性皮膚炎の方では、糞便中の短鎖脂肪酸が低いことが観察されており、重症度は酪酸を作る菌の量と負の相関を示すと報告されています
- 乾癬の方では、血中の酢酸・プロピオン酸の値が低いことが報告されています
- 健康な人の皮膚表面の短鎖脂肪酸は、アトピー性皮膚炎の方より高いという報告があります
ここからが大切です。同じ総説が、次のようにも書いています。
- 短鎖脂肪酸の皮膚に対する抗炎症作用はげっ歯類の実験モデルで研究されてきたものであり、その知見をヒト集団に当てはめられるかは、まだ議論の余地がある
- 病変部の皮膚における短鎖脂肪酸については、ほとんど分かっていない
- 乾癬については、乾癬を対象とした研究そのものが不足している
- 湿疹については、関連を明らかにするためにさらに臨床的な証拠が必要
つまり、方向性としては有望だが、ヒトで確かめきれてはいない。これが2026年時点の正直な現在地です。
ですから、「腸内環境を整えれば肌が変わります」と言い切る商品には、いったん立ち止まってください。その断言を支える証拠は、まだありません。一方で、食物繊維や発酵食品を増やすこと自体は、肌のためだけでなく体全体にとって価値があり、害もほとんどありません。期待の仕方の問題です。「腸を整えれば肌が変わる」ではなく、「体にいい食べ方をしていれば、肌にも回ってくるかもしれない」——このくらいの温度が、私は正直だと思います。
肌については、確実性の高い対策が別にあります。紫外線対策は、腸内細菌よりはるかに確かな根拠があります(日焼け止めの選び方/シミと肝斑)。また、血糖の高い状態が肌の土台に及ぼす糖化の話も、確認できる数値があるぶん実務的です。
4. 【筋肉】「腸筋相関」——筋肉と腸内細菌の意外な関係
腸と筋肉。一見つながらない二つですが、腸筋相関(gut-muscle axis)という言葉が使われるようになりました。加齢で筋肉が減っていくサルコペニアとの関係が注目されています。
12の研究をまとめたレビューが示したこと
高齢者を対象に、腸内細菌と筋肉量・筋力・身体機能の関係を調べた研究をまとめたシステマティックレビューがあります。2019〜2022年に発表された12研究(対象者6人〜1,417人/イタリア4・中国3・日本2・韓国・台湾・英国が各1)が含まれています。
| 報告されていること | 内容 |
|---|---|
| 酪酸を作る菌が少ない | 筋肉量が少ない方では、酪酸を作る菌(フェカリバクテリウム・プラウスニッツィ、ロゼブリアなど)が減っているという報告があります |
| 酪酸そのものと筋肉量 | 糞便中の酪酸が、骨格筋量と有意に相関していたという報告があります |
| 特定の菌が多い | サルコペニアの方で、いくつかの特定の菌が多く観察されたという報告があります |
しかし、著者たちはこう釘を刺しています
このレビューの著者自身が挙げている限界。
- 含まれた研究は横断研究(ある一時点を切り取った研究)であるため、知見は記述的なものにとどまる——つまり因果関係は示せていない
- 臨床研究の対象者数が小さいことも限界である
- そして決定的に重要な点。12の研究のうち、栄養や食事を交絡因子として検討していたのは、わずか2研究だけだった
最後の指摘の意味を、かみくだきます。よく食べてよく動いている人は、筋肉も多いし、腸内細菌も豊かです。逆に、あまり食べられず動けなくなっている人は、筋肉も減り、腸内細菌も痩せます。このとき「腸内細菌が筋肉を減らした」のか、それとも「食事と運動という共通の原因が、両方を同時に動かしている」だけなのか——食事を調べていない研究では、区別がつきません。
ですから現時点で、筋肉のために確実に言えることは、腸内細菌の話ではなく、こちらです。
- たんぱく質を十分に摂ること
- 体を動かすこと、とくに筋肉に負荷をかけること
この2つが土台で、腸内細菌はそこに乗る話です(40代からの代謝と筋肉で詳しく扱っています)。順番を間違えないでください。腸活サプリに毎月何千円も払うより、その分をたんぱく質に使い、階段を使ったほうが、筋肉には確実です。
ただし、興味深い方向の研究もあります。運動そのものが腸内細菌の構成を変えうるという報告です。もしそうなら、運動→腸内細菌→筋肉という好循環がありうることになります。まだ確かめられてはいませんが、少なくとも「運動する」という行動は、どちらの経路から見ても損にならないということは言えます。
5. 【認知症】ここが最も熱い——日本発の研究が示していること
腸と脳のつながりは腸脳相関と呼ばれ、この分野で最も注目を集めているテーマです。そして嬉しいことに、ここでは日本の研究が世界的にも存在感を示しています。国立長寿医療研究センターのもの忘れ外来で、佐治直樹副センター長らが続けてきた一連の研究です。
もの忘れ外来を受診した方に認知機能検査や頭部MRI検査を行い、あわせて検便のサンプルを集めて解析する——という、地道で貴重な研究です。
研究1:腸内細菌のタイプと認知症(2019年)
腸内細菌の顔ぶれをタイプ分けしたところ、「バクテロイデスという菌が多いタイプ」の割合が認知症の方では低く、その他の菌が多いタイプの割合が高いという結果でした。研究チームは、この知見は「認知症の治療法や予防法の開発のための新たな切り口になるかもしれません」と述べています。同じチームは、認知症の前段階である軽度認知障害の段階でも、腸内細菌が認知機能低下に関連することを報告しています。
研究2:菌が作る「物質」と認知症(2020年)
次にチームは、菌そのものではなく菌が作り出す物質(代謝産物)に注目しました。ここで印象的な結果が出ています。
| 糞便中の物質 | 認知症との関連 | 補足 |
|---|---|---|
| アンモニア | 認知症で有意に増加(オッズ比1.6倍) | たんぱく質が腸内で分解される際などに生じます |
| 乳酸 | 認知症で減少(オッズ比0.3倍) | 研究チームは、この発見が「新規予防法の開発への糸口になるかもしれません」としています |
これらの関連は、既に知られている危険因子を統計的に調整しても同じ傾向でした。「認知症の方の便には、菌が作る物質の違いが出ている」——これは静かに衝撃的な結果です。
研究3:日本食スコアと認知症(2021年)
そして、私たちの食卓に最も近い研究がこれです。研究チームは「日本食スコア」という指標を用い、食事のパターンと認知症・腸内細菌の関係を調べました。
結果、認知症でない方は、認知症の方より日本食スコアが高値でした。個別の食品では、次のような差が出ています。
魚介類、きのこ、大豆製品、コーヒー。特別な健康食品はひとつもありません。どれも、日本のスーパーで買えるものです。
ただし、ここでも慎重に。これらは横断研究——ある一時点で「認知症の人」と「そうでない人」を比べた研究です。ですから、次の2つを区別できません。
- 日本食を食べていたから、認知症になりにくかった
- 認知症でないから、買い物や調理ができて日本食を食べられていた
認知症は、発症のかなり前から生活の変化が始まります。魚を焼いてきのこを煮る食事は、手間がかかります。その手間をかけられる状態だった、という可能性は十分にあります。オッズ比0.10という強い数字も、この向きの問題を解決してはいません。
それでも、私はこの研究に価値があると思っています。理由は単純です。魚・きのこ・大豆・コーヒーは、認知症の話を抜きにしても勧められる食品だから。魚は血管に、大豆はたんぱく質と食物繊維に、きのこは食物繊維とビタミンDに、それぞれ別の根拠があります。効果が不確かでも損をしない選択肢——これは、健康情報の中でいちばん扱いやすいタイプの情報です。
6. なぜ今これほど盛り上がり、なぜまだ答えが出ないのか
ここまで読んで、「関連はたくさん見つかっているのに、なぜ結論が出ないのか」と思われたかもしれません。この分野の面白さと難しさは、まさにそこにあります。
なぜ今、盛り上がっているのか
- 技術が変わった。かつては、培養できる菌しか調べられませんでした。腸内細菌の多くは培養が難しく、長いあいだ「見えない住人」でした。遺伝子をまとめて読む技術によって、培養できない菌もまとめて見えるようになった——これが決定的でした
- 「臓器」として見る視点が生まれた。腸内細菌は、食べ物を分解し、物質を作り、免疫と会話する。まるでひとつの代謝器官のように振る舞います
- 関わる範囲が広すぎた。肥満、糖尿病、アレルギー、炎症性腸疾患、うつ、自閉スペクトラム症、がん治療の効きやすさ——調べれば調べるほど関連が出てくる。だから研究者が集まりました
なぜ、まだ答えが出ないのか
| 難しさ | 内容 |
|---|---|
| 因果の向きが分からない | この記事で何度も出てきた問題です。菌が変わったから病気になったのか、病気になったから菌が変わったのか。横断研究では区別できません |
| 個人差が大きすぎる | 菌の顔ぶれは人によってまるで違います。国が違えばさらに違う——日本人の9割が海藻分解酵素を持つという話が、その象徴です。「万人に当てはまる腸活」が成立しにくい理由です |
| 「善玉・悪玉」は単純化しすぎ | 分かりやすい言葉ですが、実際には状況によって働きが変わる菌が多く、研究の世界ではこの二分法はあまり使われません |
| 便の菌 ≠ 腸の中の菌 | 研究のほとんどは便を調べています。しかし便に出てくる菌は、腸の壁にへばりついている菌とは違います。見ているのは「出てきたもの」だけです |
| 介入が難しい | 菌を狙って増やす・減らすことが、そもそも簡単ではありません。飲んだ菌の多くは、住みつかずに通り過ぎていきます |
見分け方として使えます。この分野について、「まだ分かっていない」「関連が示されている段階」と正直に言う情報源は、信頼できます。逆に「腸内環境を整えればすべて解決する」と言い切る情報は、研究の現在地から離れています。歯切れの悪さは、この分野では誠実さの印です。
7. 腸内細菌は何に影響を受けるのか——食事、そして薬
ここから実用の話です。まず、腸内細菌は何によって変わるのか。
いちばん大きいのは、食事
当然といえば当然ですが、菌にとって食事は「餌」そのものです。とくに大腸まで届く成分——食物繊維や難消化性のオリゴ糖などが、菌の顔ぶれを左右します。詳しくは次章で扱います。
そして、薬。これは意外と大きい
ここは、あまり知られていないけれど重要な話です。2018年に発表された研究で、1,000種類以上の市販薬を、代表的な腸内細菌40株に対してスクリーニングした大規模な調査があります。結果は驚くべきものでした。
ヒトの体を標的とする薬(つまり抗菌薬ではない、ふつうの薬)のうち、24%——およそ4分の1が、少なくとも1つの腸内細菌の増殖を抑えたと報告されています。しかも、あらゆる薬効群にまたがっていました。
抗菌薬が腸内細菌に影響するのは当たり前です。しかしこの研究が示したのは、抗菌薬でない薬も、思った以上に腸内細菌に触れているということでした。
| 薬の種類 | 腸内細菌との関係 |
|---|---|
| 抗菌薬 | 狙った菌以外にも影響します。ただし必要なときは必要です。細菌感染症では、腸内細菌より優先すべきことがあります。なお、かぜの多くはウイルスによるもので、抗菌薬は役に立ちません。「念のため出してほしい」と求めないことが、結果的に自分の菌を守ります |
| 胃酸を抑える薬 | 胃酸には、口から入った細菌を殺す役割があります。胃酸が強く抑えられると、細菌が胃を通過しやすくなり、腸内細菌叢が変化しうると考えられています。ただし、これらの薬は潰瘍や逆流性食道炎など、明確な理由があって処方されています |
| その他さまざまな薬 | 上記の研究のとおり、幅広い薬効群で影響が確認されています |
ここは強くお伝えします。この情報を「薬をやめる理由」に使わないでください。
薬は、腸内細菌よりも重い問題を防ぐために処方されています。胃酸を抑える薬をやめて出血を起こす、降圧薬をやめて脳卒中を起こす——それは、腸内細菌の多様性とは比べものにならない損失です。
気になるときの、正しい相談のしかたはこうです。「この薬、やめたほうがいいですか」ではなく、「この薬を続けるうえで、食事で気をつけられることはありますか」。あるいは「この薬は、今も必要な状況が続いていますか」。長期に飲んでいる薬を定期的に見直すこと自体は、とてもよい習慣です。ただし決めるのは、あなたと主治医が一緒にです。
そのほかに影響するもの
- 加齢——年齢とともに菌の構成は変わります(第9章で扱います)
- 運動——身体活動が腸内細菌の構成に関わるという報告があります
- 睡眠とストレス——腸と脳は双方向でつながっており、ストレスが腸の動きや環境に影響することはよく知られています(睡眠の記事もあわせてどうぞ)
- 便秘——便が長く滞れば、腸内の環境は変わります。慢性的な便秘は放置せず相談してください(→便秘|静かに進んで、体を締めつける)
- 極端な食事制限——次章で触れますが、これは自分で自分の菌を飢えさせる行為になりえます
8. 毎日の食生活で気をつけたいこと
ここが、この記事でいちばん実用的な部分です。難しいことはひとつもありません。
(1) 食物繊維——まず主食を変えるのが、いちばん効率的
厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で設定された目標量は成人男性で1日20g以上、女性で1日18g以上。一方、令和6年国民健康・栄養調査での成人(20歳以上)の摂取量の平均値は1日18.1gでした。そして理想的な摂取量は成人で1日25g以上と考えられており、世界保健機関のガイドラインでもこの量が推奨されています。
あと7グラム。絶望的な差ではありません。e-ヘルスネットが勧めている、いちばん効率のよい方法はこれです。
1日のうち1食の主食を変える。白米を麦ごはん・胚芽米に、ふつうの食パンを全粒小麦パンやライ麦パンに、麺をそばに。精白米やふつうの食パンに比べて、効率よく食物繊維が摂れます。
これが最強な理由は、続くからです。主食は毎日必ず食べます。意志の力を使わずに、自動的に食物繊維が増えていきます。「毎日サラダを食べよう」より、はるかに現実的です。
あわせて、1食あたりの目安量で2〜3グラムの食物繊維が摂れる食材として、e-ヘルスネットは次を挙げています。
大麦(押し麦)/そば/さつまいも/さといも/糸引き納豆/おから/いんげん豆/あずき/切り干し大根/ごぼう/ブロッコリー/モロヘイヤ/しいたけ/ひじき/りんご
味噌汁を具だくさんにする、間食をバナナやみかんにする——このくらいの工夫で足ります(塩分には気をつけて)。
(2) 発酵食品——短期間で見えた、はっきりした変化
ここで、とても示唆に富む研究を紹介します。2021年にCell誌に発表された、17週間の食事介入試験です。参加者を「発酵食品を増やす群」と「食物繊維を増やす群」に分けて比べました。
| 群 | 腸内細菌の多様性 | 炎症の指標 |
|---|---|---|
| 発酵食品を増やした群 ヨーグルト、ケフィア、発酵カッテージチーズ、キムチなどの発酵野菜、野菜の塩漬け飲料、紅茶キノコ |
全体の多様性が増加(食べた量が多いほど効果が強い) | 4種類の免疫細胞の活性化が低下し、血中の19種類の炎症性タンパクが低下(関節リウマチや2型糖尿病、慢性ストレスと関連するものを含む) |
| 食物繊維を増やした群 豆類、種実類、全粒穀物、ナッツ、野菜、果物 |
平均すると変化しなかった | 19種類の炎症性タンパクは低下しなかった |
この結果の読み方には、注意が必要です。
「食物繊維は意味がない」という意味では、まったくありません。この研究の著者らが述べているのは、短い期間に食物繊維を増やすだけでは、腸内細菌の多様性を増やすには不十分だったということです。多様性というひとつの指標が、17週間という短い期間では動かなかった、という話です。
食物繊維については、2型糖尿病・がん(乳・胃・大腸)・心筋梗塞・脳卒中の発症リスクの低下との関連が報告されている——これは厚生労働省が明記している、膨大な研究の蓄積です。そちらのほうが、腸内細菌の多様性よりもよほど大事な結果です。
実用的な結論は、シンプルです。どちらかではなく、両方。
そして日本人にとって幸運なのは、発酵食品が食文化の中に最初から入っていることです。納豆、味噌、漬物、しょうゆ、甘酒、ぬか漬け。特別な買い物をしなくても、朝の味噌汁と納豆で足ります。高価な海外の発酵飲料を買う必要は、まったくありません。
(3) 日本食というパターン
第5章で紹介した国立長寿医療研究センターの研究が示した魚介類・きのこ・大豆製品・コーヒー。これらは、そのまま食卓のヒントになります。因果は証明されていませんが、繰り返すとおりどれも別の理由でも勧められる食品です。
(4) 「いろいろ」が鍵——種類を増やす
菌の多様性を支えるのは、食べ物の多様性です。同じ野菜を大量に食べるより、少しずつ種類を増やすほうが理にかなっています。ELDERMET研究(第9章)が示したのも、まさに「食事の多様性」と「菌の多様性」のつながりでした。
(5) 気をつけたいこと——極端な制限
- 極端な糖質制限には落とし穴があります。ごはん・パン・麺・いも・豆・果物を一気に減らすと、食物繊維も一緒に消えます。菌の餌を断つことになります。減らすなら、繊維の多い主食に置き換える形で
- 「◯◯だけ」を続けない。単品ダイエットは、多様性という観点から見ると最も不利な食べ方です
- 下剤への依存に注意。刺激性の下剤を毎日使い続ける状態は、一度相談してほしいサインです
- 食物繊維を急に増やすと、お腹が張ることがあります。少しずつ増やして、水分もあわせて摂ってください
9. 【年代別】子ども・若者・高齢者、それぞれの取り組み
腸内細菌との付き合い方は、年代によって課題が違います。順に見ていきます。
子ども——3歳頃までに土台ができる。でも、決まってしまうわけではない
腸内細菌叢は、生まれてから作られていきます。腸内細菌学雑誌に掲載された総説には、次のような知見が整理されています。
| 要因 | 報告されていること |
|---|---|
| 分娩の形 | 経腟分娩で生まれた子は母親の腸内細菌叢に、帝王切開で生まれた子は母親の皮膚常在細菌叢に類似すると報告されています。64名を対象とした研究では、自然分娩児は帝王切開児に比べ、生後1か月までのビフィズス菌の検出率が有意に高いという結果でした |
| 栄養の方法 | 母乳は、ビフィズス菌優勢の腸内細菌叢の形成に重要な役割を果たすとされています |
| 抗菌薬 | 生後3か月以降に1度でも抗菌薬を服用した乳児は、服用していない乳児に比べ、ビフィズス菌などの菌数が有意に低かったと報告されています |
| 在胎期間 | 在胎35週未満の早産児では、乳酸菌やビフィズス菌の検出率が低く、病原菌の検出率が高くなると報告されています |
| 成人型への移行 | 離乳食が始まると菌の構成が変わり、食事が大人に近づく3歳頃には、成人の構成に近づいていきます |
ここで、どうしてもお伝えしたいことがあります。
帝王切開で出産された方、母乳をあげられなかった方、お子さんに抗菌薬が必要だった方——この情報を、ご自分を責める材料にしないでください。
帝王切開は、母子の命を守るために行われる医療です。それがなければ助からなかった命が、たくさんあります。母乳が出ない、続けられない事情も、人それぞれです。抗菌薬も、必要だから使われたのです。いずれも、あなたが選べたことではないか、選ぶべくして選ばれたことです。
そして事実として、腸内細菌叢はその後の食事でいくらでも育てられます。3歳頃に「大人に近づく」というのは、そこで固定されて二度と変わらないという意味ではありません。腸内細菌は、その後の一生を通じて食べたものに応じて変わり続けます。この記事の第8章に書いたことは、何歳から始めても意味があります。
子どものために、今日からできること。
- いろいろな食材を、少しずつ経験させる。好き嫌いは焦らず。種類の多さが多様性を育てます
- かぜに抗菌薬を求めない。かぜの多くはウイルス性で、抗菌薬は役に立ちません。必要なときに効いてもらうためにも、不要な使用は避けたいところです。もちろん、医師が必要と判断して処方した抗菌薬は、途中でやめずに指示どおり飲みきってください
- 過度な除菌をしすぎない。手洗いは大切ですが、生活のすべてを無菌にする必要はありません
- 朝ごはんを抜かない。これは腸の動きそのものにとって大切です
若者〜中年——実は、いちばん崩れやすい時期
20代から50代。仕事も家庭も忙しく、食事がいちばん雑になりやすい年代です。そして残念ながら、この時期の食生活は腸内細菌にとって不利な条件が揃っています。
- 外食・中食が増え、野菜と海藻と豆が減る
- 夜勤や不規則な生活で、食事の時間がばらつく
- ストレスが腸に直接響く
- ダイエットで、いちばん繊維の多い食品を真っ先に減らしてしまう
最後の項目が、この年代で最も惜しいポイントです。糖質制限でごはん・いも・豆・果物を一気に切ると、菌の餌が消えます。減らすのではなく、置き換えてください。白米を麦ごはんにするだけで、量を減らさずに繊維が増えます。
この年代の方への、いちばん現実的な提案。「食生活を改善する」という大きな目標は、たいてい続きません。1食の主食を変える。それだけ決めてください。朝のパンを全粒粉に、昼を蕎麦に、夜の白米に押し麦を混ぜる。どれか1つで構いません。自動化された小さな変更のほうが、意志で頑張る大きな変更より、1年後に残ります。
妊娠を考えている方へ。母親の細菌叢は妊娠・出産に伴って変化し、生まれてくる子の菌の出発点になります。特別なことをする必要はありませんが、この時期にバランスのよい食事を意識することには、自分自身のためだけでない意味があります。
高齢者——ここには、はっきりしたデータがあります
高齢者の腸内細菌については、ELDERMET研究という有名な研究があります。2012年にNature誌に発表されたもので、この分野の古典です。示された内容が、非常に示唆的でした。
ELDERMET研究が示したこと。
地域で暮らしていた方が長期の入所施設に移ると、食事の質と多様性が大きく変わり、それに続いて腸内細菌の多様性が低下していました。
そして、食事と菌の多様性が乏しい人ほど——
- 生活の自立度が低かった(つまり虚弱だった)
- 血中の炎症マーカーが高かった
- 糞便中の短鎖脂肪酸が低かった
また、食事の質が低い方ではある菌群が多く、植物性食品の多い健康的な食事をしていた方では別の菌群が豊富でした。
この研究の重みは、「食事の多様性 → 菌の多様性 → 虚弱」という鎖が、実際の高齢者集団で見えたことにあります。因果の証明ではありませんが、鎖のいちばん手前——食事の多様性は、私たちが手をつけられる場所です。
高齢の方、そしてご家族へ。
- たんぱく質を減らさない。あっさりしたものばかりになると、筋肉が落ちます。フレイル予防の観点でも、腸の観点でも、肉・魚・卵・大豆製品は毎食どこかに入れてください
- 「食べられる形」に変える。噛みにくいから野菜を避ける、というのが最も惜しいパターンです。刻む、煮る、汁物にする、ミキサーにかける。形を変えれば食べられるものは、たくさんあります
- 歯と口を大事にする。噛めることが、食事の多様性を守ります。歯科の定期受診は、めぐりめぐって腸にもつながっています(→歯と口の健康|歯を失う原因の1位は歯周病)
- 発酵食品を毎日少しずつ。納豆1パック、味噌汁1杯。量より頻度です
- 便秘を我慢しない。高齢期の便秘はよくあることですが、放置せず相談してください。刺激性下剤の連用より、まず食事・水分・運動、そして必要なら適切な薬を医師と相談するほうが、長い目で有利です。とくにご高齢の方は、自覚症状がないまま進むことがあります(→便秘の記事)
- 施設に入られたご家族へ。ELDERMET研究が示したのは、環境が変わると食事の多様性が落ちうるということでした。面会のときに、食べられているか、種類があるかを気にかけてあげてください。それは十分に意味のある関わりです
関連して、骨密度と筋肉の記事も、同じ「食べて動く」という土台の上に立っています。
10. 腸活商品との付き合い方——騙されないために
ここは、この記事を書いた大きな理由のひとつです。腸内細菌は、期待が大きく、証拠が薄い。この組み合わせは、商売にとって理想的な土壌です。
| 商品・サービス | 現時点での考え方 |
|---|---|
| プロバイオティクス 生きた菌を摂るもの |
摂っている間は影響を及ぼしうるものの、多くは腸に住みつかず通り過ぎると考えられています。つまりやめれば戻りやすいということです。特定保健用食品として「おなかの調子を整えます」の表示が認められているものもあり、その範囲での価値はあります。ただし高額である必要はありません |
| プレバイオティクス 菌の餌になるもの |
食物繊維や難消化性オリゴ糖など。考え方としては筋が通っていますが、わざわざサプリで摂らなくても、麦ごはん・納豆・ごぼうで足ります |
| 腸内フローラ検査 | 興味深いものですが、結果から確実な指導ができる段階には至っていません。「あなたにはこの菌が足りないので、この商品を」という流れになっていたら、それは検査ではなく販売の導線です |
| 便微生物移植 | 特定の感染症に対しては確立した位置づけがありますが、それ以外の疾患については研究段階です。自由診療で幅広い病気に勧められている場合は、慎重に |
お金を払う前の、5つのチェック。
- 「整えます」「変わります」と言い切っていないか。研究者は言い切りません。言い切る広告は、研究より先を行っています
- 体験談が主な根拠になっていないか。「3か月で肌が」「便通が」という個人の話は、証拠としては最も弱い部類です
- やめられない仕組みになっていないか。定期購入が前提で、解約条件が分かりにくい商品は要注意です
- 検査と商品が同じ会社でつながっていないか。検査結果が、その会社の商品の購入に直結する設計は、判断が偏ります
- 同じお金で、食材を買えないか。月5,000円のサプリは、押し麦・納豆・ごぼう・きのこを毎日買えるお金です。どちらが確かかを、いつも比べてください
サプリメント全般の見きわめ方については、サプリメントの選び方で、皮膚・脳・筋力・美容の分野ごとにさらに詳しく整理しています。
こんなときは、腸活より先に医療機関へ。
- 便に血が混じる、黒いタール状の便が出る
- 体重が意図せず減っている
- 便の形や回数が、以前とはっきり変わって元に戻らない
- 腹痛が続く、夜中に痛みで目が覚める
- 貧血を指摘された(鉄不足の記事もご覧ください)
- 50歳以上で、大腸がん検診を受けたことがない
これらは、腸内細菌の話ではなく腸そのものを調べるべきサインです。「腸活で様子を見よう」がいちばん危ないのは、この場面です。
11. よくある質問
腸と皮膚がつながっているという考え方(腸-皮膚軸)には、それなりの根拠が集まりつつあります。腸内細菌が食物繊維から作る短鎖脂肪酸が、免疫の調整や皮膚のバリア機能に関わることが示されており、アトピー性皮膚炎の方では糞便中の短鎖脂肪酸が低いという報告もあります。ただし、この分野の総説自体が、多くはげっ歯類の実験モデルでの知見であり、ヒト集団への当てはめはまだ議論の余地があると明記しています。つまり「腸内環境を整えれば肌がきれいになる」と言い切れる段階ではありません。バランスのよい食事は肌にとっても体にとっても価値がありますが、高額な腸活商品が肌を変えると約束していたら、その約束は現時点の科学より先を行きすぎています。
「腸筋相関」という考え方が注目されています。高齢者を対象とした12研究のシステマティックレビューでは、サルコペニアの方で酪酸を作る菌が少ない傾向や、糞便中の酪酸が骨格筋量と相関するという報告が紹介されています。ただし著者自身が、含まれた研究は横断研究であるため知見は記述的なものにとどまると述べており、さらに12研究のうち栄養や食事を交絡因子として検討していたのは2研究だけだと指摘しています。よく食べよく動く人は筋肉も腸内細菌も良好、というだけの可能性が残るということです。現時点では、筋肉のためにできる最も確実なことは、たんぱく質を摂ることと体を動かすことです。
国立長寿医療研究センターのもの忘れ外来で、佐治直樹副センター長らが一連の研究を発表しています。腸内細菌の代謝産物を調べた研究では、糞便中のアンモニアが認知症の方で有意に多く(オッズ比1.6倍)、乳酸は少ない(オッズ比0.3倍)という結果が報告されました。また日本食スコアを用いた研究では、認知症のない方は魚介類・きのこ・大豆製品・コーヒーの摂取が多く、日本食スコアが高い群では認知症ありのオッズ比が0.10だったと報告されています。ただしこれらは横断研究で、日本食を食べているから認知症にならないのか、認知症でないから日本食を食べられるのかは、この研究だけでは決められません。
影響を受けます。1,000種類以上の市販薬を腸内細菌40株に対して調べた研究では、ヒトの体を標的とする薬のうち24%が、少なくとも1つの菌株の増殖を抑えたと報告されています。抗菌薬はもちろん、胃酸を抑える薬なども腸内細菌に影響しうると考えられています。ただし、だからといって自己判断で薬をやめることは避けてください。その薬は、腸内細菌よりも重い問題を防ぐために処方されています。気になる場合は、やめるかどうかではなく「この薬を続けるうえで、食事で気をつけられることはありますか」と主治医に相談する形をおすすめします。
ある程度は変えられますが、多くの場合は住みつくのではなく通り過ぎていくと考えられています。つまり、やめれば元に戻りやすいということです。一方、17週間の食事介入研究では、発酵食品を増やした群で腸内細菌の多様性が増え、19種類の炎症性タンパクが低下したのに対し、高食物繊維群では平均すると多様性は変わらなかったという結果が報告されています。これは食物繊維が無意味という意味ではなく、短い期間では多様性という指標が動かなかったという意味です。実用的には、特定の高額な商品よりも、納豆・味噌・漬物・ヨーグルトといった手に入りやすい発酵食品を毎日少しずつ、そして食物繊維を主食から増やすほうが現実的です。
この記事のまとめ。腸内細菌の研究は、本物の盛り上がりの中にあります。肌にも、筋肉にも、脳にも関係がありそうだ——それを示す研究が、実際に積み上がっています。
でも、まだ「関連がある」までです。肌の総説は「げっ歯類の知見をヒトに当てはめられるかは議論の余地がある」と書き、筋肉のレビューは「横断研究なので記述的にとどまる」と書き、認知症の研究も横断研究です。研究者たちは、驚くほど慎重です。その慎重さこそが、この分野の誠実さです。
だから私は、こう考えています。不確かなものに高いお金を払うのではなく、確かなものを静かに積む。主食を1食変える。納豆と味噌汁を毎日。いろいろな種類を少しずつ。薬は自己判断でやめない。気になる便の変化は医療機関へ。
そして最後に、この記事でいちばん好きな事実をもう一度。日本人の約90%は、海藻を分解する遺伝子を持つ菌を飼っています。それは、私たちの祖先がのりや昆布を食べ続けてきた記録です。あなたが今日食べるものは、あなたのお腹の中の生態系を、確かに作っていきます。それだけは、どんな研究の限界にも関係なく、確かなことです。
参考にした主な資料
- 国立長寿医療研究センター「腸内細菌は認知症と強く関連する」/「軽度認知障害でも腸内細菌は認知機能低下に関連」——エンテロタイプと認知症・軽度認知障害
- 国立長寿医療研究センター「腸内細菌の代謝産物と認知症が関連」——糞便中アンモニア(オッズ比1.6)、乳酸(オッズ比0.3)
- 国立長寿医療研究センター「日本食スコアと認知症、腸内細菌との関連」——魚介類・きのこ・大豆製品・コーヒーの摂取率、日本食スコア高値でオッズ比0.10(Nutrition誌)
- 厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」——目標量(男性20g以上・女性18g以上)、令和6年国民健康・栄養調査での平均18.1g、理想25g以上、短鎖脂肪酸、効率のよい摂り方
- Nishijima S, et al. The gut microbiome of healthy Japanese and its microbial and functional uniqueness. DNA Research. 2016——日本人106人と11か国861人の比較、ビフィズス菌17.9%、海藻分解酵素を約90%が保有、メタン生成菌7.7%
- Wastyk HC, et al. Gut-microbiota-targeted diets modulate human immune status. Cell. 2021——17週間の食事介入、発酵食品群で多様性増加と19種類の炎症性タンパク低下、高食物繊維群では多様性は不変
- Maier L, et al. Extensive impact of non-antibiotic drugs on human gut bacteria. Nature. 2018——1,000種類以上の市販薬を40菌株に対しスクリーニング、ヒト標的薬の24%が少なくとも1菌株の増殖を抑制
- Association of Gut Microbiome with Muscle Mass, Muscle Strength, and Muscle Performance in Older Adults: A Systematic Review. 2024——12研究のレビュー、酪酸と骨格筋量の相関、および著者による限界の明示
- The role of short-chain fatty acids in inflammatory skin diseases. 2023——短鎖脂肪酸の作用機序、アトピー性皮膚炎・乾癬での知見、ヒトへの外挿に関する限界
- Claesson MJ, et al. Gut microbiota composition correlates with diet and health in the elderly. Nature. 2012——ELDERMET研究、施設入所と食事・菌の多様性低下、虚弱・炎症・短鎖脂肪酸との関連
- 牧野博ほか「新生児・乳児期の腸内細菌叢とその形成因子」腸内細菌学雑誌 33巻1号——分娩様式・栄養法・抗菌薬・在胎期間の影響